第3話 VSスライム
スライムと戦います。以上。
このゲームの序盤はよく覚えている。
初めは誰もが通る道。スライム狩りである。場所はスライム広場。
ここでスライムを五体倒し、レベルを2まで上げる必要がある。余談だが、このスライム広場の奥には初期キャラでは絶対に倒せない強力なスライムが潜んでいる。
広場の中央の魔方陣まで歩き、俺はスライム広場を選択する。すると、真っ白な光が俺を包み込み、気づいたら俺はスライム広場へと来ていた。
緑豊かな木に囲まれたレンガ道の広場。なんとも懐かしい。奥に進まなければ、出てくるのはスライムだけだ。
俺は初期装備である剣を構え、単独で動くスライムを探す。
最も弱いモンスターと言えど、レベル1の時に複数相手にすれば負けてしまう。
ちょうどよく、入口近くに、単体で動くスライムを見つけた。
ああ、なんて気持ち悪い。真っ青な液状の体が動く様は、ゲームのグラフィックなら可愛いのだが、現実の目で見るとなんとも気持ち悪い。
しかし弱音をはいている暇はない。俺は剣で斬りかかった。ダメージは5。確か、スライムの体力は10だから二回攻撃すれば倒すことができる。
もう一回攻撃しようと思った瞬間、体が動かないことに気づく。その隙をスライムが反撃してくる。
こちらへのダメージは4。
ダメージを受けてからしばらくして、体が動いた。すぐさま俺はスライムに斬りかかる。体力がなくなったスライムは光の粒子となって、空高く消えていった。
そうだ。このゲーム。一定の時間が経たない攻撃できなかった。
まさかそんなところまでゲーム通りなんて。