第2話 気づいたらゲームの世界
ゲームの世界を舞台にした作品です。ありきたりですね。
主人公はレベルが低くても知識が豊富なため、ある意味作中最強です。
五話にヒロインが出ます。ですので、ぜひ五話まで読んでみてください。
俺は気づいたらゲームの世界にいた。
自分でも何を言っているのか分からない。でもそれ以外に表現できないから困る。
真っ白な建物が中央の広場に向かって円の形に並ぶ街。広場の中心にはテレポート用の魔方陣。目に映る景色の端には三つのボタン。それは目を動かすとぴったりと離れずについてくる。それぞれイベントり。ステータス。クエスト。
俺がずっとプレイし続けてきたオンラインゲームと瓜二つだ。
仮にもここが俺の知るオンラインゲームならば、俺はどうすれば良いのだろうか。
広場の噴水まで歩き、水に映る自身の姿を見る。
初期装備。
そして、AAAの文字が俺の頭上に見えた。
ああ、やっぱりこれは俺がプレイしていたゲームだ。
俺はステータス画面を開く。開き方は視界端のステータスボタンを押すイメージを持てば良いらしい。
LV.1 職業ナイト
HP:30 MP:10
ATK:11 DEF:11
MAT:0 MDF:6 SPD:10
Number:5
このステータスを見て俺は愕然とした。俺が育てたキャラではない。
俺が何百時間と費やしたキャラはどこへ?
それにNumberだけ俺は知らない。5とはどういうことだ?
いや、それよりも。
俺は元いた世界に戻りたかった。
こんな薄気味悪い世界はまっぴらごめんだ。
そのためにはこのゲームをクリアすれば良いのだろうか? しかしオンラインゲームにクリア画面など存在しない。どうすれば良いのだろうか。
とりあえず、レベルをあげるか。