第11話 気づけば夜
結局主人公がナイト、楓がプリーストです。
「ホワイトベアを二人で倒せば良い。そうすれば、スライムをまた倒さなくて済む」
この一言で、渋々と言った様子ではあったが、楓を説得することに成功した。
プリーストに転職をしてもらった楓さんの姿が、剣士から聖職者へと変わる。初期装備であるが、真っ白な帽子に杖。なんとも可愛らしい姿だ。
「では、ホワイトベアを狩りに行きますか?」
楓の言葉を俺は首を横に振った。
「まさか。スライムを? え? 嘘ですよね?」
「違う。ホワイトベアを狩りに行くが、それは後だ。先にクエストを確認しに行くぞ」
「クエストですか?」
「さっき、カラの実が手に入っただろ?」
楓は思い出したように、イベントリを開いた。他人のイベントリも見ることができるらしい。
「ポーションが手に入るクエストでしたっけ?」
「そうだ。広場の近くに、NPCがクエストで交換してくれる」
はずだ。
「分かりました。行ってみましょう」
そういって、俺と楓はそのNPCの元へ行った。
しかし、NPCの姿が見えなかった。
「いませんね」
本来いたであろう場所に、誰もいない。そもそも、他のNPCも見ていない。
「NPCがいないのか?」
「というよりも、空見てください」
「空?」
「もうそろそろしたら、夜になりそうです。夜だから、家に帰ったのでは?」
「まさか。ゲームでは昼も夜も関係なく、外に」
いたけども、確かにそうかもしれない。
「そろそろ、私たちも宿を探しませんか?」
楓の提案に俺は頷いた。
そうだな。宿、…………宿?




