キシローの思想:2
これは
「最初セクマイだけのNPOにも顔出したんだけど、う~ん、なんか、『我々が』っていうことに抵抗があるっていうの?
うまくいえないけど『FTMは生きにくいんだ』とか言うとき、まわりがみんなFTMだと『みんなそうだから』で終わっちゃう部分が歯がゆかった。
けど、ここではそうじゃない。「みにこみゅ」のみんなの持つ生きにくさはそれぞれ、でもその根本には「他者への不寛容さ」があるんじゃないかって・・・。
あぁ、大丈夫、そんなカタイ話じゃないから(笑)」
とのことだから、彼も成人であるし、「みにこみゅ」の少数者同士が手を取り合う思想に共鳴した、ということでいいだろう。
確かに公共放送の「手と手をつなごう」では一緒になるし、図書館でも「人文・社会・思想」としてまとめられることもある、最近は老人・障がい者・子供が共に同じ施設で暮らす「富山型」というものも知られてはいる。
仲間は少ないより多いほうがいいだろう。
ちなみに「みにこみゅ」の代表は五十代半ばの男性で、既婚者。障がい者福祉に力を入れるうちにダブル・マイノリティの問題に突き当たり、「みにこみゅ」を立ち上げたという。
他者への不寛容さ。
まさにそれが、自分にも同じく降りかかるとは、この頃キシロ―は想像したろうか。
まぁ、FTMである彼には「それ」が日常だったのかもしれないが・・・。
それにしても、時系列に沿って書こうと思うが、昨今のメディアでの彼へのバッシングは、その枠を超えているとしか思えない。
ともかく、富山型より大きな枠で少数者の問題をとらえ、「それ」はもてはやされた。
『もはや、我々はネット世論を気にして、機嫌を伺っている時ではない。
論争は終わった。
今こそ少数者同志が手を取り、力を合わせる時なのだ。
我々はいつ「そちら」に行くかもわからない、ならば、けして他人事ではないはずだ。』
(◯日新聞より)
とまで書かれているのだ。
彼の名前は出されてない、「みにこみゅ」の名前も出されてない、が、身体障がい者に性的少数者、精神障害者を受け入れるできたばかりのNPOの特集だから、彼の影響であると思われる。
※「富山型」は「とやまがた」と読みます、実際「障害者と高齢者を同じ施設で」等
そんな動きもあります。
(作者)