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お馴染みのキシロー:2

 私はこの原稿を書く間資料を漁る時間を節約するためキシロ―関連の動画をつけっ放しにしてるのだ、おすすめで出てくることもある。

 正直お腹一杯だが、成程こうやって彼は彼になっていったのだな、と思えるところもいくつかあった。

 まず彼は女扱いを嫌がってはいたが、それをされることをで怒りをあらわにしたりたしなめたりせず、流していた。

 その代わり男扱いされると満面の笑みで、ハイティションでリアクションをした、そのあまりにもなわかりやすさがうけたのか(私はあまりテレビを見ないせいか、あの笑いの意味がよくわからないのだ)『おもしろいなぁ』とは男性タレントの声で、スタジオには温かな笑いが満ちていた、ように思う。

 これはキシロ―はこうだったというだけで、私が知る限りにおいてFTMは(まぁ私の知るFTMは多く無いが)こうするというような一律なものなど何もない、おそらくは、これは彼から聞くまでもなく私自らがキシロ―以外のFTMに何人か接してみてそう思うだけだ。

 話を彼のまとう一揆のイメージと誰かが彼に押し付けた(と思われる)『富を奪い返す』という主張に戻そう。

 私はこの主張に心当たりがある。

 言う間でもないだろう、我が社の社説だ。


 社会主義は倒れて長い、資本主義はどうだろう?新自由主義は勝者と敗者をはっきり二つに分け、敗者復活戦はない。

 勝ち続けるしかないとすればそれはなんと悲しいゲームだろう、

 政府だけではなく民間レベルからも、勝者から敗者への再分配への期待の声が上がっている、震災の時も実際かなりの寄付があったと聞く、しかし。

「宗教が弱い日本でそもそも再分配の文化が根付くだろうか」

 そう話すのは社会学者の○○さんだ。

「海外で新自由主義がうまくいっているように見えるのは思想の根元に宗教があって施しが・・・。(以下省略)

 (◯日新聞より)


 途中で写さなくなったのは、いや写すのが嫌になったのは、私と同世代のキシロ―が、知人のモモさんが言う通り「かわいそう」になったからだ。

 確かに、明らかに、全章で触れた通りキシロ―の主張は我が○日新聞と論調が似ていて、我が社は彼を祭り上げることで反権力者側の主張が現在は主であるように扱っていた?

 デモ団体や作家を祭り上げるように?


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