最初は小さな声だった
はじめに 最初は小さな声だった
あの本が書店のランキング上位にいたのは今年の四月頭だったか、平積みにされていたので、題を見たことぐらいはあるだろう。
『君も飛べるよ』キシロ―著
彼女の時代は、終わった。
これは、ネット世論が「権力者側」と言われている今日この頃、我々メディア側によって「彼等」を打ち倒す「反権力者側」のヒーローにされ、そしてまた最近はメディアによっておとしめられている「彼女」の物語である。
携帯電話アプリゲームもんすたぁ株式会社元社長、NPOみにこみゅ名誉顧問、キシロー。
そういった肩書よりも、テレビで見たことがあるという読者が殆どだろう。
私はあまりテレビを見ないのだが、同世代であることと、○日新聞記者という立場からこの本の執筆の依頼が来た一介の記者だ。
不勉強なこともあると思うし、拙いところもまたあると思うがどうか最後までおつきあい願いたい。
なお、彼女の著である
『イッキ!キシロー』
『ふくしまからのIT革命』
『虹の向こうにみえるもの』
『FTMゲイからみた恋愛事情』
『僕が会社を売った理由』
『空の飛びかた』
など出版物、テレビの出演場面、動画、公式ブログからも本人の了承を得て引用させてもらった。
また当時のメディアの彼女の扱いは手前みそではあるが○日新聞などを参考にした。
いったい、キシローとは何だったのだろう?
気がつけば、あの頃は不当に奪われた富を取り返すのだと、皆スマートフォンを握りしめて仕事をしていた気がする。
キシロ―はよくある反権力のヒーローだろうか?
なお、この本では「右翼」「左翼」といった言葉は控え、代わりに「権力者側」「反権力者側」と書くことにする、これは友人にこの原稿の依頼を相談したところ「右とか左って何?」と聞かれたこと、これに伴う諸説、及び現在保守派政党が政権にあり当分交代はないと思われることを考慮した。
また、この本で「我々」と言う際、これは老若男女問わず様々な人々を差し、なんらかの障がいの有無及び政治宗教的な思想等やその他で分けることはないと書いておこう。
では、始めよう。
まず、それは誰かの小さな声だった。