魔法使い
眼が覚めるとまだ外は暗かった。といゆうより真っ暗だった。
サリーナにおもいっきり抱きついていた。そう!胸に顔を埋めていた。
そんな中で起きたのだからさらに埋めないわけがない。
「おはようございます。ご主人様」
俺の行動で起きたのかサリーナがキスをしてきた。
「おはよう、サリーナ」
朝の挨拶を交わした後、身支度を整えワープで迷宮に跳んだ。
「こんな魔法を使えるご主人様はやはりすごいですね!何度みても不思議です」
「ありがとう。だからこそ秘密にしとくように」
サリーナに再度くぎを打って迷宮の探索を始めた。
迷宮の中を探索しながらコブリンが落とすコブリがそろそろ見たくなくなってきた時、今までとは違うつくりの小部屋に着いた。
「なんか今までとは違うな」
入ってきた扉の反対側にもう一枚扉がある。
「この部屋は階層のボスがいる部屋の手前の部屋ですね」
「じゃあ、この扉の先にボスがいるのか」
「はい、階層のボスはその階層の魔物の強化版です」
コブリンの強化版だから強くはないか。
「じゃあ、行くか」
そう言って扉を開け中に入っていった。
中に入ると天井はドーム上になっているて大きな部屋だった。
「中はおもったより広いな」
「ご主人様、来ます」
サリーナに注意され前を見ると、部屋の中央に煙が集まり魔物の姿に変わった。
サルコブリン
体の色は白く俺よりひとまわり大きいコブリンが出てきた。
大きくなった分可愛くなくなったな。
「とりあえず、俺が先に攻撃を仕掛けるから、サリーナは後から続いて」
「わかりました」
返事を聞いた後いっきにサルコブリンの懐まで行き、下からおもいっきり斬り上げた。
するとサルコブリンはそのまま後ろに倒れ煙になって消えた。
嘘でしょ!コブリンはボスになっても弱いの!?
「ボ、ボスを一撃だなんて・・・ご主人様はほんとにお強いんですね!」
よかった!サルコブリンが極端に弱いわけではなかったのか、よかった。
「そういえば何かアイテムは落ちたか?」
ボスもアイテムを落とすのか突然気になりサルコブリンがいたところに見てみた。
そこには白い魚の形をした何かが落ちていた。もってみると粉っぽい感触だ。
ためしに舐めてみるか。
「しょっぺ!!」
なんだこれ!塩をたくさん舐めたみたいだ。
「サルコブリですね。これは塩として料理で使います」
サリーナはしょっぱさに悶えてる俺に近づいて声をかけてきた。
鑑定を使ってみてみると確かにサルコブリと出た。たしかサルって塩の意味だったか。
失敗した、舐めるんじゃなかった。
「サリーナ、今何時だ」
「そうですね、だいたい日の出ごろだと思います」
意外と時間がたってないな。
「そうか、なら一旦帰って朝食を取ろう」
家に帰ってきて朝食を食べ終わり片付けも終わった後、サリーナが話しかけてきた。
「ご主人様、ご主人様の剣を見せていただけませんか?」
「別にいいけど、どうした突然?」
「いえ、少々ご主人様の剣がどういうものか気になったので・・」
「わかった、とりあえず・・はい」
俺は机の上にスプレンドーレとオスクリダーを置いた。
「失礼いたします・・おっと!意外と重いのですね。ご主人様は片手で軽々と振っているので片手剣かとおもいましたが、この重さからして両手剣ですね。こんな重いものを軽々と振れるご主人様はやはりすごいのですね!」
そんなに重かったんだ、めっちゃ軽く感じるけどな。ステータスが振り切ってるせいかな。まあ、サリーナからの評価が上がったからいいんだけど。
「ありがとうございました。じっくりと見れてよかったです」
「それはよかった。じゃあそろそろ迷宮に行こうとおもうが、その前にギルドによっていいか?」
「わかりました。それではまいりましょう」
サリーナから了承を得てまずギルドへ向かった。
「ギルドには何の用で来たのですか?」
ギルドに着くとサリーナが聞いてきた。
「強精丸を買いに来た。迷宮でちょっと実験をしようとおもってな、その対策に」
「実験ですか・・・」
答えてやるとサリーナは不思議そうにつぶやいた。
「強精丸を5つほしい」
「250ガナです」
1つ50ガナか、やっぱり魔力を回復するものだから高いのか。
トレーの上に銀貨2枚と銅貨50枚を置くと職員はトレーを持って奥に入っていった。
しばらくすると、職員はトレーの上に白い球体に青い丸が書いてあるものを乗せて戻ってきた。
「強精丸です」
それを受け取りギルドの壁から迷宮へワープした。
「2階層に着いたな。今朝、1階層のボスを倒したから2階層を攻略しようとおもう。サリーナ、近くの魔物のところまで頼む」
「はい、こちらです」
リーフメント
俺の腰までの大きさの木で根っこが二つに分かれ足のようになっていて、葉の部分は三つに分かれ頭と手のようになっている。まるで昔のキ○坊のようだ。顔はないが。
とりあえず前回の反省をふまえて軽く斬ってみよう。そう軽く、かするくらいに。
リーフメントの近くまで行き剣の先がギリギリであたるぐらいで斬ってみた。
リーフメントは煙になって消えた。
ウソだろ・・また一撃かよ。もうどうやっても一撃で終わるのかな?それならそれでいいか、楽だし。
うん、そうだなそれがいい、そうしとこ。
「また一撃だなんて・・さすがご主人様です」
「・・ありがとう」
サリーナが尊敬の眼差しを向けてくる。可愛い。これだけが唯一の救いだ。
それはそうと、何かアイテムは落としたかな。
枝
「枝か・・サリーナ、リーフメントは枝しか落さとないのか?」
「いえ、ほかに治癒草を落とします。治癒草は治癒丸の材料になります」
「じゃあ、ギルドで治癒丸を買うよりアイテムを取りに行ったほうがいいのか」
「そうですが・・薬剤師でないと作れませんよ」
「その点は大丈夫だから」
「はぁ・・」
サリーナは怪しんでるけど、もし治癒草が手に入った機会に見せればいいか。
しかし、その機会は以外にも早かった。
次の戦闘で倒したリーフメントが落としたのだ。もちろん一撃で倒したが。
「これが治癒草か。枝と治癒草は落ちる確率って違うのか?」
「いえ、さほど差はないと思います」
「ありがとうサリーナ。では、ご褒美に面白いものを見せてやる」
「ご褒美ですか、楽しみです」
俺は手のひらの上に治癒草を置いて頭の中で薬剤生成と唱えた。
すると治癒草が光だし白くて表面に緑色の丸が書いてある球体が5個できた。
「よし、できたな。しかし予想通りの形だな、もうちょいひねりはないのか。なぁ、サリーナ」
「ご主人様・・ご主人様の職業は何ですか?」
「一応、冒険者だ」
あながち間違いでもない。なぜなら、他人から見てわかるのは一番目の職業だけだから、一番目を冒険者に俺は他人から見たら冒険者なのだから。
「しかし、冒険者では・・もしかして前の戦闘で仰っていたのはこういうことでしたか」
「まあ、そういうことだ。しかし、このことも秘密にな」
「わかりました、ご主人様」
サリーナがどう解釈したかわからないが、いい方向で解釈したと信じよう。
その後もサクサクと探索を進めボス前の部屋に着いた。
「おっ、着いたみたいだな。大丈夫かサリーナ」
「はい、まだまだいけます。それにしても探索がこんなにも早く進むなんてさすがはご主人様です、普通なら早くても2日は掛かるのに」
すべての敵を一撃で倒してるからね。
「ありがとうサリーナ。さて今回のボス戦だが、実験をやろうと思う」
「朝仰っていた・・」
「そうだ、その実験だ」
MP解放がどういうものか確かめてみなければな。
念のため強精丸をポケットに入れとこう。
準備を終え中に入ると、部屋の中央に煙が集まり魔物の姿になった。
ハイリーフメント
リーフメントを俺より少し大きくしただけで、あとは何も変わってない。ただ、大きくなっただけか。
「よしやるか。サリーナ少し下がってろ」
サリーナを下がらせてから、俺は頭の中でMP解放と念じた。
するとハイリーフメントの動きが止まった。そして、ハイリーフメントは徐々に煙となって消えた。
それにしても体の一部を持っていかれた気分だ。これが魔力を使う感じか。精神的に疲れる。
一応強精丸を飲むか・・・だいぶ楽になったな。
「ご主人様今のはいったい・・」
「今のはスキルのひとつでな、ちゃんと使えるか実験したんだ」
「なるほど、ではこれは秘密ですね」
「ああ、そうだな」
サリーナもわかってきてくれたみたいだ。
「そういえばハイリーフメントは何を落とすんだ」
「枝と上治癒草ですね。上治癒草からは治癒剤になります」
「なるほど、ありがとう。それとサリーナ、今何時だ」
「今はお昼ごろですね」
まだ時間はあるな。
「よし、このまま3階層に行くぞ」
「はい、わかりました」
魔物は余裕で一撃で倒せるからな。
そういえばレベルはどうなったかな。ん?何か増えてるな。
剣士Lv9
効果 HPアップ小 攻撃力アップ小 俊敏アップ小
スキル ブレイド フルチャージ
調合士Lv5
効果 知力アップ小 MPアップ小
スキル 薬剤開発
魔法使いLv1
効果 知力アップ小 MPアップ小
スキル 初級火魔法 初級水魔法 初級風魔法 初級土魔法
おっ!魔法使いじゃん。ということは魔法が使えるようになるのか、楽しみだな。
剣士は効果とスキルからみて戦士の上級職かな。調合士はどっちかと言うと薬剤師の派生かな。
しかし、スキルの薬剤開発は気になるな。今度試してみるか。
とりあえず、3階層に進むか。




