準備
気持ちいい疲労感の中目覚めると外は少し薄暗い。日の出前のようだ。
そして腹のあたりに柔らかいものを感じる。気持ちいい感触だ。
柔らかく大きな果実が腹に押し当てられ感触が伝わってくる。
昨夜はお楽しみでしたかともし聞かれたら、楽しかったと即答するぐらい好かった。
何が好かったって?もう全部好かった。
お互いに体を拭きあったあと、二階の寝室に向かった。
そこには今日買ったベットがある。1つだけ。ここ重要。
先に部屋に入ってベットに座ってサリーナを待っていたが、なかなか入ってこない。
「どうした?入ってこないのか?」
「よろしいのでしょうか?ここはご主人様のお部屋ですよね」
またこのパターンか・・。
「これからは同じ寝室で寝るから。わかった?」
「はい!分かりました」
ちょっと圧をかけてやらないと自分から入ってこなそうだからな。
「じゃあ、こっちに来て。」
「こちらでよろしいですか?」
そう言うと、サリーナは床に座った。
違う、そうじゃない。
「俺は隣に座って欲しかったな」
そして、ベットの上を軽く叩いてやった。
「わ、わかりました」
やっとのことでサリーナを隣に座らせられた。疲れるな。
「耳をさわらしてくれないか?ちょっと気になっていたんだ」
この可愛くて仕方がないサリーナを押し倒したいが、まずはそこまでの流れを作らなければ。
昼間奴隷商人のスゲードから教えてもらったことがあった。
「彼女は性奴隷になることを了承しております」
えっ、今性奴隷って・・。
「彼女は夜伽の相手となることを明示的に了承しています」
びっくりした。そういうことか。
「実際のところ、若い女性を買う方はほとんど同じ理由で買われていきます」
どこ行ってもやることは同じなんだな。
「しかし、あなたのように若い方は奴隷に手を出すとき心理的葛藤がございましょう」
たしかに、金で無理矢理いうことを聞かせてる感はあるな。
「また、奴隷の中にはそれを逆手にとるものもいます。思わせぶりな態度を示し、なかなか体を許さない奴隷もいます。しかし、初めから了承をしているならばその心配はございません」
そんなこともあるのか。
「他に奴隷に関して説明はあるか」
「所有者には奴隷に住まいと食事を与え、税金を払う義務があります。また、これらの義務を放棄したり奴隷に不当な扱いをした場合契約が破棄されることがございます」
不当な扱いがどういうものか具体的に聞きたいが、他に聞きたいことがある。
「税金とは」
「人頭料です。所有者にはこの義務が課せられます」
「サリーナは知っているか」
「多少のことなら・・」
なら後でサリーナに聞こう。
と言うわけだから押し倒したいのは山々だが、やはり雰囲気が重要だと思う。サリーナは処女だし。
まずはスキンシップからだ。怯えられながらは今後のことも考えてマズイので、慣れてもらわなければ。
「結構フサフサしてるんだな。気持ちいいなこれ」
「そうですか。そういってもらえるなんてうれしです」
「本当に可愛いよサリーナは」
「あ、ありがとうございますご主人様」
しばらく俺は耳を撫でまくった。どハマリしそうなくらい気持ちよかった。
すると緊張が解けたのか、サリーナが可愛い声を出し始めた。
「ご主人様・・そこ気持ちいいです」
そういいながらサリーナはされるがままになっている。
理性がもう持たない。
「サリーナ、いいよな」
「はい」
そして、柔らかな唇に優しく口づけしながら倒れていった。
昨夜の余韻に浸りながらサリーナを抱きなおしサリーナの抱き心地を確かめていると、サリーナがキスをしてくれた。
早くも自分からもとめてくる・・。いや、寝る前にこれから起きたときにはキスするように言ったんだ・・・。
まあ、いいや。嬉しいし。
「おはようございます、ご主人様」
「おはよう、サリーナ」
身支度をしようとして靴を履いていると、後ろからサリーナがシャツを着せてくれた。とても良い気分だ。
支度を終えるころには、日の出だった。
「とりあえず、朝食にするか」
昨日の残りのスープとパン、サラダを食べた。
片付けが終わった後聞きたかったことを聞いてみた。
「昨日話してたけど、税金ってどのくらい掛かるの?」
「あ、あの、税金は・・」
「な、なんか悪いことしちゃったかな・・」
「い、いえ!そういうわけでは・・」
なんか気まずい雰囲気になったな。
「それよりもご主人様は自由民でいらっしゃいますか?」
なんだそれ?じゆうみん?ああ、そういえば初めてステータスを見た時そんなこと書いてあったな。
「ああ、そうだな」
「そうでしたのならよかったです。自由民は定住民よりも安いですから」
「そうなのか?」
「はい、基本的に自由民も定住民も1万ガナです。さらに定住民はすんでいる領主に1万ガナです」
結構な差があるな。まあ、とてもお徳だけど。
「じゃあ、自由民のほうが良いのか」
「いいえ、そうでもありません。定住民は領主に払っている分その領地に住んでいる限り、領主から守ってもらえます。なので、自分で戦えない人は定住民になる方が多いです」
なるほどな。ともにメリット、デメリットがあるのか。
「わかった。じゃあ奴隷のほうだが・・・」
「奴隷は所有者がどちらであろうとも5千ガナです。あくまで所有物なので」
理由を聞くとなんか申し訳ない気持ちになるな。一瞬安いと思った自分が恥ずかしい。
「そして税金は毎年春の初めに納めます。今は春に入っているなのでしばらくは心配は要らないと思います」
「今は春なのか。一年は何日ぐらい?」
「360日と少しです。季節の間に数日休日が入ります。一季節90日なので10日ごとに街では市場が開かれます」
なるほど。地球とほぼ一緒か。
「では、迷宮はどういうものなの?」
「えっと、大きさはさまざまですがだいたい階層が40を超えると外に入り口を出します」
「まるで生き物みたいだな」
「はい、大きな怪物ですね」
うん?今肯定したよね?
「怪物って迷宮のこと?」
「はい、迷宮は体内から作り出した魔物に人を襲わせ、倒された人を吸収し大きくなります」
ということは、迷宮に入ることは怪物の体内に入ると同じこと!?
迷宮舐めてたけど、結構危ないな・・・。ガンガンいけるかと思ったけど慎重にしていかなければ。
「ありがとう、聞きたかったことはだいたい片付いた。・・不快な気持ちにさせてしまうけど最後に1つ質問していい?さっき税金のことを聞いたときに辛そう顔をしたけど、何かあった?」
「・・・私は両親が死んだ後に親戚の家で厄介になったのですが、その親戚の家族からは良く思われていなくて、お前がいると税金が払えないと言われて・・それで・・」
「そうか」
俺の前だから言い方がこんなんだけど、実際はもっときついこと言われたんだろうな。
俺はそっとサリーナの隣に行き、優しく頭を撫でてやった。
「ごめんな、辛い思い出を思い出させて」
「大丈夫です。そのおかげでこんなに優しいご主人様と会えたので」
「そっか、ならよかった。じゃあこれから気分転換も兼ねて街に出かけて装備を買いに行こう」
ジメジメしててもしょうがないからな。
「はい、わかりました。ではいきましょう!」
街について最初に向かったのは武器屋だった。
「サリーナはどんな武器がいい?」
「そうですね、レイピアのような武器がいいですね」
なるほど、すばやさ重視か・・。そう思いながら鑑定でレイピアを探していると。
レイピア
スキル 空き 空き
おっ!これいいな。スキルに空きがある。
「サリーナ、これはどうだ?スキルの空きが2つもある」
「スキルの空きという意味がわかりませんが・・・これはいいですね」
「えっと、武器にはスキルとか付いてたりするんだよな?」
「はい、時折ありますが滅多にお眼にかかれません」
なるほど、スキルの空きは俺じゃないとわからないのか。
「わかった。で、何か他にいいのがあったか?」
「いいえ、ご主人様が選んだもの以外で私が使えそうなものがないのでそれにします」
「わかった。じゃあ俺はこの銅の剣でいいや。合わせていくら?」
「1100ガナだ」
「ご主人様!その剣じゃなくても他のもっといい剣でよろしいかと」
確かにそうだよな。銅の剣じゃなくてもいいと思うけどね。
「大丈夫、後で説明するからとりあえず防具を買いに行って近くの迷宮に行こう」
その後、俺は俺とサリーナは皮の防具を揃えて買った。防具はその人によって大きさが変わるように魔法がかかっているらしい。
俺は皮の鎧で大丈夫だったが、サリーナの場合胸の部分が大きくなってしまいあまりにも目立つので皮のジャケットになった。
危ない危ない。あんなのつけてたら俺が危ない。
とりあえず迷宮へ向かおう。




