放課後カレシ
「お前さ、顔だけは良いんだから。騙されたと思ってやってみろよ」
学校の悪友の言葉をキッカケに、俺は放課後カレシ倶楽部に入部した。
難しい事はなんもない。
女子から色んなことを細かく書かれた指示カード通りに動くだけ。それだけで俺は学校外での様々なデートを楽しむ。
カラオケ行ったり、ショッピングに付き合ったり、はたまた図書館に行ったり。
今日の指示は……
なんてこった。何もない。
待ち合わせ場所に行くと、そこには小さな女の子。黒髪のストレート、制服のスカートは膝丈。
「遅いよ!」
やれやれ、今日の相手はなかなか手強いようだ。
「手を繋いで」
はいはいと、薄く笑いながら俺は俺に向かって差しのべてきた小さな手を取った。
小さな歩幅に合わせてゆっくりと歩を進める。
「今日のご飯はカレーにするってお母さんは言ってたよ」
そう言いながら、俺の年離れた妹が俺を見上げてにっこり笑った。