一章 1話 「最悪な1日」
7月の夏の日、ベッドの上で眠る少年……井綱 雷斗は目指し時計の音で目を覚ました
「あぁ〜、もう朝か」
時刻は朝の7時30分、ライトはいつも決まってこの時間に起きるようにしている
「引きこもりな俺にとっては早起きなんて意味無いけど、もしも…」
もしも自分が引きこもりじゃなくなる時がきたら…と、そんな考えがあるため、なんの用事がなくても朝起きる時間は決まっているのだ
「さて、下に降りるか」
そういってライトは階段から一階へ降り、朝ご飯を作っている母に挨拶をする
「おはよう母さん」
「あら、ライトおはよう」
「今の時間に料理してるなんて珍しいね」
いつもなら母は6時には調理を始めているはずだが、今日はまるで調理を始めたばかりのように何も出来上がっていなかった
「ごめんね母さん寝坊しちゃって! 今作ってるけど出来るのは1時間後になるかも」
「そうなんだ、じゃあ俺暇だし散歩でもしてくるよ」
そういってライトは自室へ戻り財布を持ちお気に入りの上下黒のジャージを来て外に出た、出る際母が驚いたような口調で何かを言っていたが聞こえなかった
「うわっ、久しぶりに外に出たけどめっちゃ暑いな」
今は真夏なので外はすごく暑かった
「とりあえず公園でも行ってジュース買うか」
そう決めてライトは公園へと向かった
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「ついた…暑い…ジュース…」
やっと公園にたどり着き、公園の中にある自動販売機に行こうとした瞬間
「おっ、兄ちゃん財布持ってんじゃん」
と声が聞こえ振り向くと、そこにはガラの悪い男が3人立っていた
「俺ら今チョー金足りなくてさ、金貸してくんね?」
「…え、えっと…」
「ゼッテー返すからさぁ」
「いやでも…俺とあなた達は他人だし…返すって言っても…」
ここで自分の引きこもりによるコミュニケーション能力の低さに腹が立ってきた
するとガラの悪い男が怒鳴りだし
「いいから金出せや! 持ってんだろ財布! 早くしろよ!」
「で、でも…」
怒鳴り声にビビりながらも断ろうとしたら、男たちが殴ってきた
「ぐっ!」
「ははっ! 早くしねぇからそうなんだよ、いいか? 弱者は強者に従ってればいいんだよ」
そういってライトの財布から全額を抜き取り、男たちは去って行った
残されたライトは
「…帰るか」
とそう呟き、帰路についた