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Blue Skyの神様へ  作者: 大橋なずな
第5章ノ壱 地下界魔王編
126/128

第5章 1幕

 目の前に立ちふさがる大きな扉。その扉を前にワインレッドのポーニーテールを揺らし、エレクシアは大きく深呼吸をしていた。

 着慣れはじめたダークグリーンの軍服を整え、左肩の甲冑を縛り直す。

 時刻は夕暮れ。あまり人通りの無い入り組んだこの場所は天界軍の軍事用のブリーフィングルームだ。後ろには城の中に似た中庭が作られており、どの木々も綺麗に駆り揃えられている。夕暮れの赤に染められてた世界の中でエレクシアは気を引き締め、再度呼吸を整えた。

 目の前の扉にノックをする。

 すると扉がゆっくりと開き、自分よりも高身長の男が顔を出した。

 服装は自分と同じダークグリーンのマントに左肩の甲冑を身に着けている。紺色の髪をオールバックにしたその男にエレクシアは敬礼をした。

 その男、ベルテギウス元帥はエレクシアを冷ややかな目で見つめると、「中へ」とだけ言って部屋の中へと消えて行った。

 エレクシアはそんな彼の後を追うように部屋の中へと入る。

 中は夕刻のためか薄暗い。明かりも少し薄暗く、部屋の四隅に備え付けられた蝋燭が揺れているだけだった。


「よく来た」


 そう声を掛けられ、エレクリアはその場に立ち止まる。

 どうやら部屋の奥にある応接用のソファーに男が座っているようだ。


「はッ!」


 エレクシアはその場でもう一度敬礼をする。

 ベルテギウス元帥は男の座るソファーの横に立つとエレクリアをもう一度睨むように見つめた。

 薄暗い部屋の中で見つめて来るその瞳にエレクシアは鳥肌が立つ。


 ——この人が、我々の長……。


 ベルテギウスは親衛軍の元帥になりまだ日も浅い。元帥マントの姿を見るのもまだ慣れないぐらいだ。

 軍貴族たちを束ねる地位の為、歴代の元帥は皆高貴な貴族出だった。どの方も品があり、貴族の長という華やかさがあった。

 しかし、この男はどうだ? 城下町の貧しい家庭で育ち、天界軍へ志願した男。数々の戦場を渡り歩き、前戦争時は白銀の獅子オギロッド大佐の部下として活躍した功績を持つが、この男……あまりにも。


 ———貴族とは程遠い。


 殺気立ち、鋭利な刃物のような空気を放つその男の風貌にエレクシアは思わず顔を背けそうになる。

「楽にしてよい」というソファーに座る男の声でエレクシアは敬礼を止め、目線を変えた。

 座る男はグレーの元帥マントを着こなす天界軍の長ダスパル。白髪に白髭を蓄えた男は不気味に揺れる明かりの中で、薄っすらと笑っていた。


「急に呼び出して悪かった」

「いえ」

「お前を呼び出したのは少し……」


 ダスパル元帥はソファーから立ち上がり近くのテーブルに手を添える。


「少し、お前に頼みがあってな」

「頼み……でありますか?」

「ああ」


 ダスパル元帥はテーブルに置かれた小さな小瓶を手に取り、それをまじまじと見つめる。


「エレクシア、君は中界軍をどう思っておるかね?」

「どう……は?」


 急な質問にエレクリアは思わずたじろぐ。そんなエレクシアの返答にダスパル元帥は不気味な笑みを見せつつ話を続けた。


「あやつらは前戦争時に徴収兵の転生天使軍の生き残りが作ったただの寄せ集めだ。ジュラスが軍として立ち上げここまでになったが、あ奴ももうこの世にはいない。そんなただの寄せ集めの集団が今やこの城にまで足を運び、歩き回っている。これは我々にとって由々しき事ではないか……と思うのだ。あのような人間の死にぞこないなど」


 そう言ってダスパルは少しずつエレクシアに近づく。


「さらに、今では亡きジュラスの後を熾天使の騎士である小僧が治めている。そして箱庭に足を運び、最神へよからぬ事を吹き込んでいると聞く」

「そ、そんな! よからぬことなどけっして!」


 エレクシアはダスパル元帥の言葉を否定しようと声を上げる。しかし、ダスパル元帥はその言葉を止めるように強めにエレクシアの肩を叩いた。


「おの男はな、二年前死ぬはずだったのだ」

「……死ぬ?」

「そう、城下街で怒ったテロの後ろ盾をした転生天使として……あの中界軍の二人は極刑にするはずだった。しかし、最神の計らいで生きながらえ、熾天使の騎士となった」

「…………」

「最神のお遊びに付き合うつもりで見逃したのだが……失敗したよ。まさか一人は魔王の魂の所有者で、もう一人は中界軍の長になるとは思わなかったからな」


 話を続けるダスパルの声がどんどんと冷たくなっていく。

 今までに聞いたことのないその声に、エレクシアの頬に汗が滲む。


「魔王の魂の所有者はジュノヴィスに殺させようと試みたが、あいつはまったく使えない……。だから、次の計画を始めようと思うのだ」

「計画……」

「そう、それにはエレクシア、お前の力が必要なのだよ」


 ダスパル元帥はそう言ってエレクシアの目の前に立ち、微笑んだ。


「お前のオービスト家は北西の街を収めているな?」

「はい」

「父上と母上、そして兄達三人は皆結婚して子供のいるそうだな」

「……はい」


 なぜ急に家族のことを話し出したのか不思議に思いつつ、エレクシアは返事をした。

 そこまで聞くとダスパルは更に口角を上げ笑う。


「エレクシア・オービスト。お前に私から直属の任務を言い渡す」


 そう言ってダスパル元帥は手に持つ小瓶をエレクシアに渡した。エレクシアはその小瓶を受け取り、不気味に笑う男の顔を見つめる。


()()()()()()()()使()()()()()()()()()()






 朝の日差しが静かな道場の中に降り注ぐ。

 剣道の武術稽古用に作られた内装の床は綺麗に掃除されており、差し込む日差しを浴び光輝いていた。

 窓の外から小鳥のさえずりが聞こえている。少し風が吹くと木漏れ日が揺れ、床の影が動く。

 そんな道場の中心に正座をし凛と背筋を伸ばしている者がいた。閉ざされた瞳を隠すまつげ、風になびく黒の髪。両手は膝に置かれ、指先にまで気を張りまるで全身でこの場の空気を感じているようだ。

 黒の袴を身に纏い、全身くろづくめの男の背中には純白の翼が生えている。嘗ては六枚あったその翼は今は二枚となり、過去を象徴を残すのは左の白い髪メッシュのみ。

 そんな男は透き通た空気を割くように深い溜息を一度付くと「何だ?」と言葉を発した。

 いつの間にか道場の入り口に座る青年がその言葉に深々と頭を下げる。ハニーブラウンの髪に赤い瞳、黒の軍服を着た青年の背には左のみに翼が生えていた。


「閣下、お見えになりました」


 青年の言葉に黒髪の男はもう一度溜息を付くと「流石……と言ったらいいのか。相変わらず行動が早い」と吐く。


「客間にお通ししております」

「分かった。すぐ着替える。紅茶を出しておいてくれ」

「はい。サキさんとキンジさんが対応して下さってます」

「あの二人なら心配はないな。他の使用人(みんな)にはあの人に近づくなと言っておけよ。喰われるぞって」

「大袈裟ですね」

「いやいや、それぐらいの覚悟がいるんだよ、ポルクル」


 ポルクルと呼ばれた青年は、道場の中心でゆっくりと立ち上がり微笑む男を見て笑った。


「柄にもないですね。そんなにあの御方を警戒されているのですか?」

「そりゃするだろう。この世で最も苦手な異性だよ」


 そう言って黒ずくめの男は歩き出し、道場を後にする。

 ポルクルは彼の背を追いかけるように後を歩き「へえ、ヤマト元帥にも苦手な女性がいるんですね」と皮肉った。


「お前、俺をどう見てるだよ」

「いえ、別に」


 クスクスと笑うポルクルをヤマトは一瞬何か言おうとするが、そんなことをいている場合ではないと先を急いだ。






 朝の日差しの中、渡り廊下を歩く。ここは『中界軍ヤマト熾天使元帥』の館。

 ほとんど基地か、天界の城か、はたまた戦場で生活している為、今まで住んでいた寮でも全く問題ない。しかし元帥になってからはこの屋敷を自分の家としていた。

 一度はこの屋敷の件は断ったのだが、長としての振舞いの一環だと喝を入れられ、仕方なく使用人を何人が雇いたまに帰省している。

 明治の改革時代を思わせる造りの館の中を歩く。どの部屋も綺麗に整えられていて、使用人達が主人(自分)がいなくても丁寧な仕事をしているのが見て取れた。


「ヤマト様。お客人がお待ちですよ」


 廊下を歩き客間に近づくと、入り口で立つ初老の男性に声を掛けられる。


「キンジさん。対応ありがとう。少し気難しい客人だったろう? サキさんは?」

「いえいえ。とても素敵なご婦人でしたよ。サキは給湯室に」

「ならいいんだ。中で話し相手にでもなっているかとヒヤヒヤした」


 ヤマトの言葉にキンジは面白そうに笑い「そこまで警戒されるご婦人なのですね」と客間の入り口をノックした。

 そして中へ入ると一例し「お待たせしております。ご亭主様がおみえになりました」と一声掛けヤマトに道を譲る。

 ヤマトはそのまま背筋を伸ばすと客間へと足を踏み入れた。その後ろをポルクルが着いて行く。

 一瞬、ポルクルとキンジの目が合う。キンジは嬉しそうにポルクルにウインクをし、ゆっくりと扉を閉める。ポルクルはそんなキンジに軽く頷くと背筋を伸ばしソファーに座る客人を見つめた。

 パタン、という扉の閉まる音が部屋に響くと、ソファーに座っていた女性は立ち上がりヤマトの方へを歩みを進める。

 高身長で更にピンヒールを履いている為、ヤマトより少しばかり高く見える。短いタイトスカートを履き、正装の出で立ちをしている。尖る天使特有の耳には何個ものピアスが光り、ブロンズの髪はベリーショートに切り揃えられていた。

 年齢は七十歳半ばだろうか。歳を感じさせる目元や首元には大きなシワがある。それを隠すように濃いめの化粧、胸元には大きな宝石のネックレスをしていた。


「やっとお出ましか? 小僧」


 低い声とは裏腹に、目の前の女性は少し微笑んでいる。


「申訳ございません。少しばかり手を焼く案件がありまして」

「ふん、嘘が下手だね。おおかた私がこんなに早く来るとは思っていなかっただろう?」

「まさか、イザベラ様」


 ヤマトは優しく彼女の肩に触れるとチークキスを交わす。

 そして英国式な挨拶を終えるとそっと身体を放し、もう一度ソファーへ座るように促した。

 彼女はヤマトをまじまじと見つめながら腰を下ろした。ヤマトはイザベラが座ったのを見て、向かい合うように座る。

 ポルクルはそんな二人を見守りながら入り口の扉の前で待機した。


「あんな、しょんべん臭いガキがまさかそのマントを身に着ける日がこようとはね」


 イザベラの言葉にヤマトはマントを動かしながら微笑む。


「まだまだ慣れません。今はまだ着させられている状態ですよ」

「だろうね。本来なら()()()が着ているものだからね」


 イザベラはフンッと鼻で笑いながら足を組み直す。


「あいつの死に目を見たのは貴様なのだろう?」

「…………」


 彼女の言葉にヤマトは少しだけ間を開け微笑む。


「はい。優しいお顔をされていました」

「そうかい……私は葬儀も結局行かなかったからね」

「いらっしゃれば閣下も喜ばれたでしょうに」

「いや、お前みたいに現役で軍にいる者に気を付かわせたくなくてな」


 イザベラはティーカップを持つと目を伏せながらゆっくりと口を付ける。


「いい茶葉だな。人間の頃には味わったことのないものだ」

「ミールスの葉ですよ。最神が好んでまして、自分も最近はこの茶葉を飲んでます」

「ほお、最神が。お前は熾天使の騎士として彼女の側にいるのだものな」


 ヤマトもティーカップに口を付け、喉を潤す。

 そんな姿を見つめながらイザベラは少しだけ眉を寄せた。


「で? 私をわざわざここに呼んだ理由をそろそろ聞かせてもらってもいいか?」


 イザベラの瞳がギラリと光り、彼女の中に眠るものが見え隠れする。

 ヤマトはその強い眼差しに動じないよう、微笑みながらティーカップを置いた。


「はい。実はイザベラ様に折り入ってお願いがありまして」

「お願い? 小僧から私に?」


 イザベラは少し小馬鹿にしたような笑いをしつつ、足を組み直した。


「ええ。自分の今後の計画の為に力をお借りしたい」

「ほお、つまりは……私に軍に帰って来いと?」


 ヤマトは強い言い回しのイザベラに向かって頷く。


「二十五年前、『転生天使軍』として徴集され数々の戦場を渡り歩き、七年前にこの『中界軍』を立ち上げた貴女の力が、今の自分には欲しいのです」

「昔の話さ」


 イザベラは強い瞳をヤマトに向けたままソファーの背もたれに深く沈む。


「確かに中界軍を立ち上げたのは私だ。しかしそれを動かし、ここまでにしたのはジュラスだろう。私はあの時から一線から退いた身。今更表舞台に立つ気はない」

「そう窺っております。しかしそれでも自分は貴女が欲しい」

「その真意は? 小僧、お前は何を企んでいる?」


 ヤマトはニッコリと笑って見せる。


「いや、ちょっと世界を理を壊そうと思いまして」


 そう言ってヤマトは懐から銀色に光るものを取り出し、テーブルに置くとイザベラの方に差し出す。

 重みのある音をして置かれたそれにイザベラは目を奪われ、呆然とする。


「自分は日本のただの民間人でした。なのでこの取り扱いはよく知りません。しかし、元イギリス兵の貴女ならこれをどう扱うべきかをご存じでしょう?」


 銀色に光る物、()()はまるで何かのアンティークかのように朝日を浴びて光り輝く。


「お前……これをどこで?」


 驚きを隠せないイザベラはそう口に出す。


「天界のとある地下倉庫で。古き時代の武器庫だったようです。それに合わせて戦闘機を七機。核兵器を四機」

「なに!?」


 イザベラは驚いた顔をしたままヤマトを見つめる。そして「詳しく聞かせてもらおう。お前が考えなしに動くガキだとは思っていない」とさらに威嚇するように瞳の力を強める。


「ええ、そのつもりで貴女をお呼びしたのです。少し長くなりますが、紅茶のお代わりは?」

「ああ、頂こう」


 ヤマトはポルクルと目を合わせると少し頷く。ポルクルはそんなヤマトに頷き返すと部屋から静かに退室した。


「では、紅茶のお代わりが届くまで、先に世界の理の話をしましょう」


 そう言うとヤマトも紅茶をグイっと飲み干す。

 そしてゆっくりと語り出した。「世界の始まりは一つの空間からでした」……と。





 全てを話し終わるのはヤマトが三度目の紅茶のお代わりをしたころだった。

 全容を聞かされたイザベラは少しの間目を伏せ、何かを考えている。ポルクルはそんな二人を見守るように入り口の側で待機していた。

 ヤマトはお代わりで注がれた紅茶を一気に飲み干すと、立ち上がりイザベラの後ろにある窓へ近づく。

 外を見つめれば暖かな日差しが世界を覆っている。そんな世界をヤマトは愛おしく感じ自然と微笑んでいた。

 イザベラは伏せていた目を開け、小さく息を吐く。


「すぐにとは言いません。しかし俺の言葉を信じて欲しい」

「そうだな。全てを真実だとにわかには信じがたい。しかし……そうなのだろうな」

「はい」


 ヤマトは優しい口調で返す。

 イザベラはそんなヤマトの声色に「しょんべん臭いガキだと思っていたが……そうとも言えなくなったか」と紅茶を飲み干し、立ち上がる。そしてゆっくりと後ろに立つヤマトへ振り返ると、目の前の光景に目を見開いた。

 そこにいたのは先程の彼とは別人。白い髪に白い瞳。純白の翼は六枚になり、黒い元帥マントを着こなすその姿は……。


「……熾天使セラフ」

「イザベラ、俺に力を貸してくれないか? この世界の理を戻し、あの頃の続きを……」


 透きとおったヤマトの声にイザベラはニヤリと笑う。そしてその場で片膝を付くと忠誠を誓うように頭を垂れた。


「このおいぼれの力が必要というのであれば……このイザベラ、貴方の力となりましょう」

「ありがとう、イザベラ」


 イザベラは再び立ち上がりヤマトを見つめる。そこにいたのは先程と同じように微笑む黒い髪と瞳の黒騎士の姿だ。


「で? 私に何をさせようというのだ? 小僧」


 イザベラはニヤリと笑いヤマトに問いかける。

 ヤマトはそんな彼女に微笑み「いや、少しの間、城を離れようと思いまして。その間を貴女に任せたい」と答える。


「離れる? 軍を私に預けてまで赴かねばならぬというのか?」

「はい。こればっかりは自分が行かなけれないけないと思っています」

「ほう。して、どこに?」


 イザベラは腕を組み首を傾げた。


「ちょっと南へ」


 そう言ってヤマトは人差し指を上げ、嬉しそうに笑う。


「人間遺跡を見てこようかと思いまして」

「人間遺跡に?」


 驚くイザベラにヤマトは微笑みを崩し少し困った顔をした。


「どうも過去の記憶が混雑している部分があるんです。全てを思い出しているわけでもないし、欠落しているところもある。今持っている記憶が全て確かなものかどうかも怪しい。だからそれを確かめに行きたくて」

「なるほど。魂の深くに残った記憶となれば長い年月の中で歪みがあるやもしれぬ……ということか」

「はい。しかし、今後はこの記憶が全てを変える鍵となるはず。だから……」


 ヤマトの顔を見てイザベラは大きく頷いて見せる。


「閣下の身体の中に眠るものが大きいのはよく分かった。閣下自身がそれに()()()()()()のも」

「さすが……そこまでご理解いただけると私も助かります」

「して、いつ立つのだ?」

「できればすぐにでも……と言いたいですが、私も熾天使の身。一度登城し最神にお会いしてからですね」

「なるほど、ならば私もすぐにこちらで動けるようにしよう。閣下が基地を立つまでには準備を整えておく」

「ありがとうございます」


 ヤマトはイザベラに頭を下げた。

 そんなヤマトの頭をイザベラは優しく撫で微笑む。


「全てを背負うのはあまり感心しない。ジュラスを父と思うならあいつのように周りを頼れ。いいな?」

「はい」


 イザベラの言葉にヤマトは微笑み返す。年相応の顔になったヤマトを見てイザベラはもう一度頭を撫でた。







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