表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Blue Skyの神様へ  作者: 大橋なずな
第4章ノ参 シルメリア・カーニバル編
123/128

第4章 エピローグ

 


 ―――二カ月後。



 箱庭の書斎。そこでシラは軍議の資料をまとめ、次なる資料に手を伸ばしていた。

 外はいつもと変わらない穏やかな日々。この箱庭にいると、世界が戦乱の世へと動いているのが嘘のようだ。

 あれから二カ月。緊迫していた状勢は未だ変わらないが、地下界軍との大きな戦闘はない。それは二カ月前に突然、天界へ進行していた地下界軍が撤退したからだ。あれから地下界軍は天界への攻撃を止めている。

 まるで、誰かがそれを止めたように……。


「はあ……」


 小さな息が漏れる。ゆっくりと窓の外を見ると小鳥たちがさえずりながら草木を飛んでいた。

 いつまでもそれを眺めていれたらいいのに……。そう思っていると、急な騒音に見つめていた小鳥が飛び立ってしまった。

 その音はこちらに近づき、激しく扉を開け中へと入ってくる。


「シラ!!!」


 叫びに似た声を上げて入って来るのはジュノヴィスだ。彼は顔を真っ赤にし、こちらに向かって進んでくる。

 シラは何も答えずジュノヴィスを睨み付けた。


「君はあいつがああなるのを知っていたのか!?」

「なんの話ですか?」

「とぼけないでくれ! 二カ月前にレインに会った! あいつは僕の前で!!」


 悲鳴に似た叫びにシラは思わず数歩下がる。しかし、ジュノヴィスは更にこちらに向かって近づいてきた。書斎のデスクに身体が当たり、バランスを崩す。

 のけぞるようにデスクに倒れ込んだシラに向かってジュノヴィスは両手を突き、覆いかぶさった。


「あいつは!! あいつは!!!」と、顔を近づけて来る。その形相にシラは怯みそうになるが、ぐっと唇を噛み睨み続けた。


「なぜ何も言ってくれないんだい! シラ!!!」


 そう言ってジュノヴィスは手首を握り、シラに身を寄せる。


「いいか!! 君は僕のモノなんだ! 世界とかどうでもいい! いいかい!? 君は!!!」

「…………」


 睨み続けるシラ。その勇ましい顔つきにジュノヴィスは傷ついた顔をする。そしてゆっくりとこちらに顔を近づけてきた。

 唇が重なりそうになる……しかし、シラはそのまま彼を睨み続ける。


「君は……僕のモノだ」


 そのまま彼の唇が……。


「ご報告します!!!」


 急な声に、ジュノヴィスはシラへの口づけを止める。

 触れそうになったその唇が離れ、苛立ちのまま「なんだ!!」と叫んだ。


「地下界軍からの……声明です。新たな王が誕生したと……」


 その言葉にジュノヴィスは身を震わせシラから離れる。


「あいつだ……あいつだ!!」


 ジュノヴィスから解放されたシラはデスクから起き上がり、扉に向かって歩き出す。

 まるでこの先起こることが分かっているかのように。


「皆を集めてください。軍議を開きます」


 シラの凛とした声に、扉の向こうにいたサンガは深く頭を下げた。


「始めましょう。『()()()()()()()()()』を」






皆様、おはこんばんにちは。大橋なずなです。

無事に第4章を終えることが出来ました。

長かったなあと思いつつ、このシルメリア編を完結出来ことに喜びを噛みしめております。

さて、物語は遂に最後の地『地下界』へと舞台を移します。雪に覆われた極寒の地での新たな出会いや、不安多き戦争の行く末を今後も見守って頂けると幸いです。


ですが、大変申し訳ありません。

更新は少しここでお休みさせて頂きます。

今年はイベントへの参加や、書籍へ力を入れようと思っているからです。

二巻の制作やコミカライズ企画を主な創作活動とし、画集や設定資料集を作っていこうかと思っております。


本編の更新は冬頃から再開出来ればな……なんて思っておりますので、その頃にまた皆様にお会いできるのではないかと思います。


では、ここまで読んでくださったあなたへ感謝しつつ、この辺で失礼します。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ