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帰りの電車にて

「これって小説って言うより日記? んー…いや、なんだろこれ、雑記? いや、違うなぁ…とりあえず、ツマラン」

 ボクのかいた文章を見たダチは、それが何なのか掴めないからかバッサリの前に言葉に迷いつつもそう言い切った。

「今朝はたまたまなだけでもしかしたら面白いことがあるかもしれないじゃないか!」反論するボク。

「じゃあお前さんはそれが起こるまで永遠、これを書き続けるわけ? 今まで自分が散々乗ってきて電車でそんなに面白おかしいことがあったことなんてあったか?」



 なかった。



 思い当たる節を探してみたが、この二年ばかりの間で電車に乗っていて起こった面白いことなどこれっぽっちもなかった。

 強いて言えば、酔っぱらい過ぎた若いサラリーマンがだらんとドアの前で寝ていて、駅に着くとそこから乗ってきた気難しそうなおっさんが軽く蹴っ飛ばして、でも起きなくて。不愉快そうにおっさんは通路のつり革掴んで。

 その後二、三駅先の駅で降りようとしたそのおっさんが降りる際にもう一度若者を蹴っ飛ばしてもやっぱり起きなくて…。

 不愉快そうな顔でおっさんは駅の階段を昇っていった。


 なんて話。




 あれ、これ別に全然面白くないな。


 そんなことを考えていたら、ほどほどのところでダチと別れ、帰りの足を待つボクの前に電車がやってきた。


まぁ、面白くなんてなくていいのだ。ボクはあくまで面白い物語を綴るための練習としてこれをやっているのだから。


 そう気持ちを改めここからまた書き始めてみることにした。


まず朝とは違ってやけに騒がしい。時間は夜の十時台。なるほど、四、五人の酔っぱらいグループが楽しそうに会話に勤しんでいる。

よくわからん言葉を交わす外国人たちと酔っぱらいグループ以外は朝と同様に皆静かに電車に乗っている。疲れのにじむような顔をしたその人々の大半はやはりスマホを弄くっている。耳にイヤホンのおまけ付き。


 あぁいう人種はスマホを家に忘れたら一体どうするのだろう。死んだ魚の目で虚ろに宙を見上げるのだろうか。

 その疑問の答えになりそうな人物は残念ながら乗り合わせていない。

 昼間の猛烈な暑さのせいだろう、みなどことなく汗の匂いを漂わせている。

 臭い! というほどではないがまぁ気分の良いものでもない。


 うん。やっぱり書くことないな!


 そこまで認識し、ボクはスマホの画面を動画サイトに切り替えイヤホンを耳にねじ込んだ。

ほぼ同時に絶滅危惧モンスター保護管理課の活動も次話投稿しましたのでそちらもよろしければ。

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