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蒼銀の死神ーRapis Silver Jokerー  作者: 折鶴夏葵
1章 初めての学園生活
7/85

2話ークラスメイト

特に話もしないまま、二人は廊下を歩いていた。

もうほとんどの新入生は自分のクラスへと入ってしまったのか、廊下には二人しかいなかった。


「ふふっ、遅くなっちゃったね。私たち」


リィルは肩をすくめ、ラピスに笑いかける。ラピスは戸惑いがちに「うん」と返す。

1年生の階である4階に着いた。




「こら、そこの二人!早く席につけ」


ガラリとドアを開けると、教室内の視線が二人に集まる。


「すいません、先生。ね、一緒に座ろう?」


ラピスはコクリと頷くとリィルに手を引かれ、窓際の一番後ろの席に腰掛ける。


「さぁ、全員揃ったな。えー、Aクラスの担任になったディル・フィフェルだ。

 フェル先生と呼んでくれ。これからよろしくな。あ、廊下側のお前。お前から自己紹介頼む」

「ええっ!」


ざわざわとした空気の中、自己紹介は過ぎていく。


しん.....


突然、教室が静かになり何事かとラピスは顔を上げる。

カタンと椅子から立ち上がったのは、こげ茶色の髪に琥珀色の瞳をした整った顔立ちの男子生徒。


「オレはジン・スノウウェルだ。戦闘タイプは、中等部からのヤツは知ってるだろうが近距離型。よろしくな。」


女子生徒たちが歓声を上げる。


「彼は魔力量が多くて有名なんだって。加えてあのルックスだから女子に人気だそうよ」


聞かれてもいないのに、リィルが補足した。


その後も自己紹介は進んでいき、ラピスの番がまわって来た。

ラピスが一番最後であったため、視線が集まる。


「ラピス・レイン。戦闘タイプは近距離型」


簡潔に自己紹介を終え、席に座る。

(静か、だけど…私何かした?)


「まぁともかく今日のところは下校!寮にまっすぐ帰れよ。起立、礼」


「ラピス、寮に行こっ」

「…ん、わかった」




(大きい)

ラピスが寮を目にした感想はそれだった。


「この学園の女子寮は女子生徒の人数が少ないかわりに、一部屋ずつが大きく造られているんですって。しかも一人一部屋。ある意味すごいわよね」


リィルが説明してくれた。

(どこから情報をもってくるんだろう)

ラピスは内心首をかしげる。


寮の受付でカードをもらい、魔力を流す。

これによって、持ち主以外が部屋に許可なく侵入するのを防ぐのだ。


「ラピス、何号室だった?私は305号室だよ」


リィルがピラリ、とカードを見せてくる。

ラピスはそれを真似するようにしてカードを見せると答える。


「…304」


それを聞いたリィルは嬉しそうに笑った。


「やったぁ、隣ね!」




「ちょっと、疲れた」


ラピスはベットに寝転がり、つぶやいた。

そして魔術を使い、白と蒼を基調とした愛刀をとりだすと、それをそっとなでる。

正確には刀の柄に埋め込まれた透明な石を。


「シュリ、私…頑張るよ」


___ラピスに答えるように、石が淡い光を発していた

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