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蒼銀の死神ーRapis Silver Jokerー  作者: 折鶴夏葵
0章 さぁ、物語がはじまるよ
3/85

プロローグーある日の草原

カラカラカラ...

1台の馬車が草原を駆けてゆく。平和で穏やかなひととき。


「ふぁぁ…、おはよう」


馬車の中で眠っていた男が起きた。

いつも通りの日々、清々しい朝。


「なぁ、あとどれくらいでマナルにつくんだ?」


男は馬の手綱を引く商売仲間に尋ねる。


「あと3日ってところだな、このままのペースだと」


それを聞き、男はかたわらにある木箱へと目を向ける。

ラベルにはラナール酒と書いてある。


「この食品達がもつといいが」


ガタタッ

突然、馬車が大きく揺れる。

やがて馬車は完全に止まってしまう。


「おいっ!なにやって、…うわあああぁっ!?」


ギシャアアアッ

男が目にしたのは、肌が緑色のウロコに覆われた人型の魔物の姿。

だがそれが着ている服は、まぎれもなく商売仲間のもの。


「まさか、魔の捕食者イーターに…!?っおい、ショウ!」


魔物と化した仲間に男の声は届かない。

魔物が男に襲い掛かる刹那


ザンッ


その時、男は蒼銀を見た。


人影が振り上げた刀の軌跡 飛び散る鮮血 魔物の断末魔


カチンッと刀を鞘に納める音が響く。


「…大丈夫?怪我は?」


振り向いた人影を見て、男は驚きを隠せなかった。

_____ラピスラズリのような藍色の瞳、桜色の唇、すきとおった白い肌

    蒼銀の輝く髪

後数年もしたら美女と呼ばれるようになるであろう少女が、立っていたのだから。

男はとまどいながらも、少女に対して首を横に振る。


「そう、この人は?」


少女は絶命した魔物を見る。


「…商売仲間の、ショウ」


男は呟く。だがもうここに仲間はいない。

あるのは魔物の骸だけ.....

涙を流す男を見て、少女は申し訳なさそうに口を開く。


「___ごめんなさい」


それを聞いた男は首を振る。


「あんたは謝らなくていいんだ、…これは、オレの」


少女は草原を見渡し、瞬きをすると


「……ここから東に村がある。あなたは、休んだほうがいいと思う」

「ありがとう」


少女はコートから小さな木製の笛を取り出し、吹き鳴らした。

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