悲劇の幕開け
特に注意することはないです。
グロクもないし。怖くもないし。
パッと画面が代わって、「小悪魔通販」というサイトがひとつだけ出てきた。
「ぅ・・わぁ・・・。ほんとにあると思わなかったよ・・・」
カチッとクリックすると、本当に、正真正銘の「小悪魔通販」が出てきた。
見た目はとってもかわいい。ナビゲーターのわんこはもっとかわいい。あたしは思わず見入ってしまった。
「かわいい〜〜」
どのリングも素敵だった。なのにメッチャ格安。400円・500円程度のものばかり。
「きゃぁ〜〜」
あたしがひとつ、めちゃくちゃ気に入ったリングがあった。ハートのロゴが入ってる。キュ〜ンってなりそう。
迷わずクリックした。もう、どうにでもなれ!って感じだった。
『ご購入有難うございます。かわりに、あなた自身をいただこうと思います」
え・・・???
いきなりデスクトップから白い手が出てきてあたしを掴んだ。
「きゃぁぁっ!」
ぐるぐると回りながらパソコンの中にいるあたし。デスクトップにはザーザーと雑音が流れている。
「うるさいなー。ちょっと、亜衣奈ー。何時だと思って・・・」
姉が部屋に入ったようだが、あたしにはそれが見えなかった。でも、姉の声だけは届いた。
「おねぇちゃぁーん!助けてーー」
でも、姉にはあたしの声が届かないようだ。
「亜衣奈!?亜衣菜!?どこよ!」
「ここだよぉぉ〜〜〜」
「返事してッ!亜衣菜ぁ〜〜」
「してるってばぁ〜〜!!」
どすん。
あたしはどこかに落ちた。
「いっ・・・たったったぁ・・・」
そこは廃屋みたいなところで、ホコリ臭い臭いがした。机があって、そこにパソコンが1つ。
あたしの前には、3人、男の子と女の子が立っていた・・・・。