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第一話:〜不幸の手紙〜

この話はホラーです。苦手な人は読まないことを

お勧めします♪

今年の夏も去年より暑くて、あたしの気分は最悪だった。このクソ暑い上に男にふられちゃたまんない。

「亜衣奈はばかねぇ。指輪の一つでももらっときゃいいのに」姉は笑って言った。あたしはなるほどそうだとも思った。

雷鳴が轟き、あたしの耳には、ありふれた音楽と、雨垂れと、うっすら「別れよう」という声が走った・・。

その残像を掻き消すようにあたしは髪を掻き回した。そして、窓から見えるポストに届け物が入ったのを見て椅子から飛び降りた。トンッ・・・・・と音を立て着地した。

雨が降る中、黄色のダサい傘を差してあたしはポストまで歩いた。わざと水溜りに足を入れると、靴下が水に侵食されていく。冷たくて心地よい。


カタンッ・・・・・・・・・・


あたしはいつもどおり、中身を確認した。母さんのと、父さんのと・・あ、これも父さんの・・・。なんだ、あたしのないみたい・・・。・・・・・・????「黒埼亜衣奈様」?

あたしへの手紙か!

タンタンタンタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・

残りの手紙を居間にほおり捨て、あたしは階段を駆け上がった。ギィッと音を立てて椅子に座り丁重に、丁寧に手紙の封を切った。中からは黒と白で彩られた紙切れが登場した。


「小・・悪魔・・・・通販・・・・・???」

白と黒の中には異色な赤でその文字は書かれていた。内容はこうだった。

「黒埼亜衣奈様。あなたは小悪魔通販へ来るチャンスを見事獲得いたしました。こちらでは、リング・ネックレス・イヤリングなどを扱っております。ぜひ一度ご来店くださいまし。」

ココまではいいのだが・・・・・・・・・・

「木曜日、深夜2時ちょうどに「小悪魔通販」と検索してください。くれぐれも、お間違えのないように・・・・・・・。」

あやしい。すんごくあやしい・・・。裏サイトとかに存在してそうな通販だ。でも、あたしは「リング」というのに魅かれた。「値段も格安です。最高金額は1000円です。」と、

あいたスペースに書いてあった。普通、リングは高いのだけれど・・・・・。


「ね!小悪魔通販って知ってる??」

次の日、あたしは友だちの井上彩香に聞いてみた。

「小悪魔通販???聞いた事あるよーな・・・・ないよーな・・・・・。なんなのよ、それ。その、小悪魔通販っての」

あたしはとっさに嘘をついた。

「いっ・・いとこがね!なんか聞いたから・・・・知りたいんだって!その・・売ってるやつとか・・・どこにあるかとか・・・!」

「ふぅん・・。怪しげなとこだね。名前からして。少なくともあたしは行かないな・・・。菜月、どー思う?小悪魔商店・・じゃなくて小悪魔通販」

彩香はうしろで雑誌をめくっている遠藤菜月に声をかけた。菜月は、雑誌から目をはなし、少し考え込んだ。

「う〜ん・・・。わかんないよぉ。あたし、機械とかメカとか弱いしさぁ。あ!でも通販っていったらテレビとかもあるよねぇ?う〜〜〜。はうぅ〜〜〜???」

頭を抱えて悩んでいる菜月を、彩香は「まぁまぁ、そんなに考えなさんな」と一言言ってこちらを向いた。短い髪がちゃっとゆれた。

「まっ!いかないほーがいいんじゃない?だいたい、通販ってそのものが、あたしには怪しく感じるもんな。ま、いとこが行きたいってゆーんなら話は別ものだけどねぇ?」

「あたしも!さやりんにさーんせーいぃVVVV。あーちんは?さやりんにさんせーー??」

「うっ、うん!あったりまぇじゃ〜ん!!」

やっぱり行くのはよそうかなぁ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「リング追加したよ。あと、ネックレスも、・・って、ちょっとぉ!アメ!聞いてるのぉ!!!??」

「きーてますです。分かりましたなのです。ミーウェイ。ありがとうなのです。あ〜ッ!コウヤ!リングが売れましたですよぉ〜〜」

「お。マジ?やったね!やっぱ俺は凄いんだな!!どーだ!ミーウェイ!見直したか!」

「ばーーか」


歳は15・6くらいだろうか。3人の男女がパソコンをうまく弄っている。サイト名は「小悪魔通販」。

「次はだれにお手紙出したのですか?」

「さぁ?たくさん出しちまったもんでね!あたしゃちまちま覚えるよーな奴じゃないんだよ。」

「ちぇ。ミーウェイは役立たずなのです・・・・・・」

「うるさいな!」

アメと呼ばれた髪長の女の子はミーウェイと呼ばれていたセミロングの女の子にクスッと笑いかけると、またパソコンに向き直った。そしてもの凄い速さでボードを叩いていく。

「コウヤ、そこの箱に入っているリングを取ってほしいのです」

「はいよ」

コウヤと呼ばれたハリネズミ頭の男の子は渋々リングを取り出した。

「ありがと!なのですVV」

アメはリングを受取り、リングをパソコンへ近づけた。その時・・・・・・・・・・・・・・・!!


リングからものすごい量の光が溢れ出し、リングがパソコンに吸い取られていった。ズプズプとパソコンへ入っていく。入り終わったリングは「画像」のところで回っている。

「ふぅ、なのです。コウヤ。もうちょっとうまく作れないですか??パソにいれるの疲れます。なのです〜〜」

「これが限界だっての!!あのな〜〜〜、俺も疲れんの!作るの疲れんの!!分かるかぁ!?オイ!!」

「べっつに〜、なのです。コウヤはどーだっていいのです。」

「てんめっ・・・・・」

「あははははははっ!コウヤばかじゃない!?あはははははは!!やーい!莫迦!!ん?馬鹿かな?」

「どっちだっていいだろがぁ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「やっぱり行こう!!」

亜衣奈は夕日がアスファルトに降り注ぐ道を早足で歩いた。今日は何かの縁か木曜日だった。

「どこに行くの??」

いきなり聞こえた声に驚き後ろを振り返ると上月瞳がたっていた。あたしの友だち。頭もいいしスポーツ万能・・ってどうでもいいか。

「ふぇい??どーしたのよ!!瞳ィ!びっくりするじゃない!!」

あたしは間の抜けた返事をしてしまった事に気づき少し恥ずかしくなった。

「あぁ。ごめん。んで、どこ行くのよ?なんか気になるじゃない。教えて?」

「え?っとぉ・・・・いとこの家。週末に」

「ふぅ〜〜ん。あ、っそなの。なぁんだ。心配して損しちゃたァ」

「心配?なにがよ」

瞳はクスッと笑って目を細くした。そして「小悪魔通販VV行くのかと思っちゃった」と答えた。


「え・・・」

「あっ!なんでもなぁいの!忘れちゃって!ごめんねっ!じゃぁバイバイ!!また明日ぁ〜」


ドキドキしたまま家に帰ると、あたしは何気なく新聞を開いた。いつもはテレビ欄だけ見るのだけれど今回は最初っから捲った。すると・・・

ぼぉっとしていたあたしの目に死ぬほど驚いた記事が飛び込んできた!

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