第十四話
体育祭は蓮の逆転KOの余韻でざわめいていた。
応援団の太鼓のリズムが会場の興奮をさらに盛り上げる。
次の対戦を待つ中、観客席では生徒たちが手作りの応援ボードを掲げ、歓声をあげている。
生徒たちがスマホを構え、「やべえ、SNSに上げなきゃ!」と盛り上がる。
放送席では真央がマイクを握り、声を張りあげている。
「さあ、第二回戦! 蓮のKOで健太チームが1勝! 次はタッグダブルノックアウトマッチ! 2対2の乱戦、KO、リングアウト、タップアウトで決着! 選手たちの意地と絆がぶつかり合う!」
隣でカイトが叫ぶ。
「この狭いリングじゃ逃げ場はない! タッグ戦ならなおさらだ! 戦略と力がぶつかり合う瞬間を見逃すな!」
ここで真央が両チームを紹介。
「まず、健太チームのタッグ! 柔道の猛獣・剛、重量級の破壊力でねじ伏せる! パートナーはキックボクシングの閃光・流星、スピードと技巧で翻弄! 対する颯チームのコンビ! ムエタイの貴公子・雅琉、鋭い蹴りで敵を切り裂く! 巨漢の破壊神・峻、無言の圧力で圧倒! このタッグ戦、勝つのはどっちだ!」
蓮が汗と鼻血にまみれた顔で剛と流星に言う。
「お前らの努力は俺が一番分かってる。後悔のないよう全力でやれ!」
健太が拳を振り上げ、「このまま優勝だ!」と鼓舞する。
剛が柔道着の衿を握り、ニヤリと笑う。
流星がキックボクシンググローブを叩き、「開幕ぶちかますぞ!」とハイタッチ。
雅琉がニヤリと笑い、鋭い目でその様子を見据える。
「お前らの連携なんて、俺様の蹴りでぶち壊してやる!」と挑発。
リングを軽やかに舞う姿はムエタイの貴公子そのもので、観客の視線を一瞬で奪う。
その横で峻が一歩踏み出し、圧倒的な存在感を放つ。
颯の仲間が「雅琉、いつも通り自信満々だな!」と笑う。
試合開始の合図が「カーン!」と鳴り、会場が観客の「うおお!」で揺れる。
剛が「作戦通りいくぞ!」と吠え、ロープを背に雅琉を誘い込む。
雅琉が軽快に距離を取り、ハイキックを放つが、剛がガードを下げ、「来い!」と叫んで距離を詰める。
キックが剛の頬を掠めるが、鼻血を滴らせながら「遅え!」と唸り、瞬時にクリンチで捕まえる。
雅琉が「舐めるな!」と激しく叫び、膝蹴りを脇腹に叩き込むが、剛は「この距離なら蹴れねえ!」と歯を食いしばり、引き崩して、柔道の地獄車の形に持ち込む。
雅琉が「させるか!」と肘打ちを顎に当てるが、大柄な体で耐え抜く。
流星が「今だ、やれ!」と声を上げる。
剛は右足を相手の左足の内側に絡め、集中を高める。
「いくぞ!」と咆哮し、回転しながら倒し込む豪快な投げ技へ。
空中で雅琉が落下する瞬間、手を離し、「投げっぱなし地獄車」でマットに叩きつける。
流星が「これで終わりだ!」と叫び、ロープを軽く蹴って加速。
一瞬で跳び上がり、電光石火の胴回し回転蹴りを後頭部に叩き込み、衝撃音がグラウンドに響く。
「バガンッ!」と衝撃音が響き、雅琉が意識を失う。
体が大きく跳ね、ロープを越え、リングサイドに吹き飛ぶ。
美咲が腕を組み、「はっはっはっは! 何だよその技、面白すぎだろ!」と弾けるように笑い、剛と流星のコンビ技を一瞥する。
観客が総立ちでどよめき、「コンビ技最高!」と叫ぶ生徒がスマホで動画を撮る。
「あれ、死んだんじゃないか」と震える声でつぶやく者もいた。
レフェリーが「雅琉、リングアウト!」と宣告し、10カウントを始める。
「1、2、3……10!」
倒れ動けず、失格が確定。
峻がリング中央で立ち尽くし、気絶した雅琉を一瞥する。
マットを軋ませながら無言で拳を握る。
唇の端がわずかに歪み、獰猛な笑みを浮かべる。
観客席からは「まさか、負けるのか!?」と心配の声が上がり、静寂とざわめきが交錯する。
真央が「雅琉、動けず! リングアウト! なんという結末だ! 剛と流星の完璧なタッグ技! 体育祭のグラウンドが熱狂の渦に飲まれた! まさに歴史に刻まれる一瞬だ!」と叫ぶ。
カイトが続ける。
「これぞ勝負だ! 剛の投げっぱなし地獄車で雅琉のバランスを崩し、流星の胴回し回転蹴りが後頭部に炸裂! 電光石火の一撃でリングの外に吹き飛ばした! 剛と流星、息ぴったりのコンビで会場を沸かせた!」
流星がドヤ顔でポーズ。
「これが俺たちの最強コンビ技だ!」と叫び、剛とハイタッチ。
剛が「この試合勝てるぞ!」と笑う。
峻が「お前ら……許さん」と低く唸る。
巨体から放たれる圧力が空気を支配し、観客席を静寂に包む。
握り潰した拳が微かに軋み、汗がマットに滴る。
健太が「剛、流星、勢いに乗れ!」と叫び、蓮が拳を握り「気を抜くな。押し切れ」と呟く。
峻がどっしり構え、「派手な技だが……俺には効かねえ!」と低く唸る。
巨体がリングを軋ませる。
剛が「ペースをつかむぞ!」と気合いを入れ、慎重に距離を詰める。
流星が素早くサイドステップで相手の右側に回り込み、ローキックを相手の前足に連打。
「ガツ! ガツ!」と音が響くが、巨体は微動だにしない。
峻が「ふん!」と鼻を鳴らし、剛に視線を固定。
そして、タックルを仕掛ける。
剛が膝を上げてカウンターを狙う。
峻はそれを予測したかのように、フェイントのジャブで剛のバランスを崩す。
剛が「くそっ、意外と俊敏じゃねぇか!」と歯を食いしばり、クリンチに持ち込む。
峻の膂力が圧倒し、剛の息が荒くなる。
剛が「まだだ!」と吠え、腰に腕を回し、払い腰を仕掛けるが、彼は体を沈めて耐える。
流星が「俺が動く!」と叫び、相手の背後に回り、ミドルキックを脇腹に叩き込む。
「バチン!」と音が響くが、彼は振り返り、冷徹な眼光を向ける。
峻がクリンチを解き、流星にタックルを仕掛ける。
彼は素早くロープ際に逃げるが、峻の長い腕が腰を捉える。
流星が「させるか!」と膝蹴りを胸に放つが、峻は耐え、流星をロープに押し込む。
剛が「今行く!」と叫び、素早く相手の背後へ回り込み、自分の右足を相手の左腿の内側に滑り込ませる内股の構えをとる。
峻がパワーで抵抗し、逆にロープ際に押し返す。
剛の額に汗が光り、息が上がる。
流星がハイキックを狙うが、峻が片手でガードし、マットに押し倒す。
「ドスン!」と重い音が響く。
流星が起き上がり、息を整えながら「まだ終わらねえ!」と睨む。
剛がロープを背に立ち上がり、「次の技、仕掛けるぞ!」と気合を入れる。
流星が拳を叩く。
「よっしゃ、ノリノリでぶちかますぜ!」
峻が両腕を広げ、「叩きのめしてやる」と低く唸る。
試合終了の合図が「カーン!」と鳴り、1ラウンド終了。
剛がロープに寄りかかり、流星に言う。
「あいつ、想像以上にタフだな……次はペースを上げなきゃ」
流星がグローブを叩き、「2ラウンドで仕留めるぞ!」と気合いを入れる。
峻がコーナーで仁王立ち、二人を睨む。
拳から汗が光り、まるで嵐の前の静けさ。
観客の一人が「やばい、峻が本気だ……」と呟き、ざわめきが広がる。
健太が「次で決めろ!」と叫び、蓮が「大丈夫だ。お前らならいける」と呟く。
二人の奮闘と峻の圧倒的パワーで、2ラウンドへの期待が膨らむ。




