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妖精王の愛し子、世界樹のふもとで魔導具屋さん始めます!  作者: るあか
第五章 強さを示して

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57話 海洋都市

 ヴォルカノ王国の王都ヴォルカディスから馬車を乗り継ぎ、途中の町でお昼休憩。更に馬車を乗り継ぐこと2時間。15時過ぎにようやくピスキス王国の王都へと到着した。


⸺⸺ピスキス王国、海洋都市ピスキアノス⸺⸺


 ピスキス王国の王都は海上に町が広がっており、満潮時と干潮時では町の風景が一変する面白い町。干潮時の時しか通れない道もあるし、満潮時には海中トンネルのようになる部分もある。


 海は青く透き通り、柔らかな潮風が頬を撫でる。今は干潮時で、町の水路のあちこちで魚人が泳ぎ回っていた。


「なんか、海のリゾート地に来たみたい」

 漆喰(しっくい)の真っ白な建物がより一層リゾート感を出している気がする。

「こうしてみると、色んなところに旅行に来たよな」

 と、クウガ。

「うん。四大精霊の加護領域、これで全部だよね。まだたくさん国や街はあるんだろうけど、大陸中を旅した感じ」

 ドワーフの地下都市やホークアイズの渓谷を思い出し、自分はこの大陸での生活を満喫していると実感した。


「いつか、クウガの妹も一緒に来よう」

 と、テオ。私も「そうだよ! 解放されたらみんなでもう一回四大精霊全部の加護領域を旅しよう!」と続いた。

「お前ら……ありがとな。同情を強要する気がして今まで言い出せなかったんだが、話して心配してもらえるのも良いもんだな」

 クウガはそう言ってニッと笑った。


⸺⸺


 私たちはお土産を見たり、ワゴンでクレープを買って食べ歩きをしながらピスキアノスの街をぐるりと一周した。

「んー、これでローラのアイスコーヒーがあったら文句ないんだけどなぁ」

 今まさにアイスコーヒーを片手に街を歩きたい、そんな心境だ。

「ローラが合流したら美味しいアイスコーヒー、淹れてもらおう」

 と、テオ。

「うん♪」

 さっきのクレープ屋さんみたいにこの街でもワゴンの出張販売が出来たら良いのに。ローラが合流したら一緒にニコラス王に相談してみよう。


 ピスキアノスの街を堪能した私たちは、ニコラス王に謁見するためピスキス城へと向かった。

 城門で門番にニコラス王からの招待状を見せると、「ようこそ、お待ちしておりました」とすぐに玉座の間へと通してもらえた。


⸺⸺ピスキス城、玉座の間⸺⸺


「おぉ、皆よく来てくれた。待っておったぞ」

 そう笑顔で迎えてくれたニコラス王。とりあえずテオが先日のタカの集いのお礼を丁寧にしていた。それが終わったタイミングで、私はデイヴィット王からの親書をニコラス王へ手渡した。


「かの小人王が私に? なんと、これも皆が繋いでくれた縁か」

 ニコラス王はそう言って嬉しそうに親書の中身を確認していた。


「なるほど、ローラ君がいないと思ったらヴォルカノ王宮で焼き菓子の修行を……。ローラ君が合流するのを楽しみに待つとしよう」

「あーぁ、ローラ、ハードル上がったな」

 と、クウガ。だけど私はなんの不安もなかった。

「大丈夫だよ。ローラはすごい努力家だから。きっとめちゃくちゃ美味しいお菓子作れるようになってるよ」

「そうかそうか、やはり楽しみだ」

 更に笑顔になるニコラス王。

「うわ、シルフィが余計にハードル上げてる……」

 と、テオ。私は「あはは……」と笑って誤魔化した。


⸺⸺


「さて、海底のダンジョンはその名の通り海底にあり、海底神殿から入ることができる。ダンジョンへの案内がてら海底神殿にある“海神の間”へ招待したいのだが、どうかね?」

 と、ニコラス王。ここで私は素朴な疑問をぶつけた。

「海底神殿は……息、出来ますか……?」

 その私の問いに、ニコラス王はお腹を抱えて笑い出す。

「はははっ、心配ないぞ。海底に特殊な結界を張ることで水の無い空間を作り出しているから、もちろん息も出来るし水に濡れることもないし、水圧で圧死することもない。神殿までは転送魔法陣で一瞬で行けるため、道中も安全だ」


 そのニコラス王の回答を聞き、私たち3人は揃って胸を撫で下ろした。なんだ、クウガとテオも不安だったのか。

 そしてぜひ行きたい旨を伝えると、私たちは4人で城内の転送魔法陣へと向かった。


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