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妖精王の愛し子、世界樹のふもとで魔導具屋さん始めます!  作者: るあか
第四章 家族

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42話 属性の魔石は魔導具の宝庫

 クウガとテオがダンジョンの攻略をどんどん進めるついでに、色んな属性の魔石を持って帰ってきてくれるようになった。

 魔導具を発明した初日にティターニア様が教えてくれた属性の関係表を確認しながら魔石の研究を続けた私は、お仕事仲間にその研究成果を発表することになった。


⸺⸺安らぎ亭、寮の庭⸺⸺


 ローラにクウガ、テオはカフェテーブルに着いて洗濯場の方へ身体を向けている。その視線の先には私とファム。私は“水の魔石を両手に持っていた。


「いくよ、水の魔石を同士を強く擦り合わせると……」

 そう言って両手に持っていた水の魔石をグリグリと擦り付ける。

 すると、擦り付けた部分からこんこんと水が溢れ出し、洗濯場の排水へと流れていった。


「えっ、水の魔石ってそんな効果があるの!?」

 ローラが目をぱちくりとさせながらそう言った。

「それって……もう水源から水を引っ張ってくる必要なくね……?」

 と、クウガ。テオが続く。

「僕たち、魔石のこと知らなさすぎない……? 水は水源から引っ張ってくるもの、水の魔石は魔力を持った人たちが武器や装飾品に水属性を付与するもの……それくらいにしか考えていなかったよ」


「あっ、でも、飲水としていけるのかは正直よく分かんないから、この水は飲まないでね」

 念の為忠告。あくまで飲水を確保するためじゃなくて、水を必要とする魔導具を発明するための研究だ。


「そうね、それでも、出来そうなことはたくさんありそう」

 と、ローラ。私は頷き、魔導圧縮袋の中から自分の肩ほどまでの大きさのある鉄の箱を取り出した。

「これはね、“魔導洗濯器”って言うの」

 前世の“洗濯機”を再現した魔導具だ。


「洗濯器……!? まさか、この中で勝手に洗濯してくれんのか……!?」

 と、クウガ。私はうんと頷いた。

「今まで手でゴシゴシして、重しみたいなので水を絞って干してたよね。これは、2種類の仕組みを1つにまとめた魔導具で、まずはフタを開けて洗いたい物と洗剤をこの中に入れます」

 私がフタを開けると、ファムが側に置いてあったタオルをポイッと放り込んだ。私は粉末状の洗濯洗剤をサラサラとタオルにかけて、フタを閉める。


「それでこの水色のボタンを押すと、中に水が湧いてきて、中をグルグルかき混ぜながら洗濯をしてくれます」

 私が説明している隣で魔導洗濯器の中から水のバシャバシャという音が聞こえていた。

「すごい!」

 と、歓声が上がる。


「ねぇねぇ、シルフィ。その水、排水はどうするんだい?」

 と、テオ。

「うん、排水の仕組みはこうだよ」

 私は魔導圧縮袋の中にしまっていた容器を取り出してカフェテーブルに置き、その中に水の魔石同士で発生させた水を溜め、洗濯洗剤を少しだけ入れて軽くかき混ぜる。

 次に、魔石と“地の魔石”を持って容器の水の中でグリグリと擦り合わせた。

 すると、容器の中の洗濯水がみるみるうちに減っていき、最終的には数滴の(しずく)を残すのみとなった。


「えええ、何で!? どういうことなの!?」

 軽くパニックのローラ。彼女だけではない、クウガもテオも口をあんぐりと開けていた。

「これはね、マナで生成した水を、マナに戻して空気中に返したの。この時洗剤の成分も分解されるみたいで、真水じゃなくてもマナで生成した水が混ざっていればいいみたい」


「そういうことか! じゃぁ、自然に存在する水ではダメということなんだね?」

 と、テオ。

「うん、その辺は水の中に含まれるマナの濃度で変わると思うけど、この寮の水道水ではダメだったよ」

「水の魔石で作った水限定か……いやでもすげぇな……」

 と、クウガ。


⸺⸺10分後。


 試運転をさせていた魔導洗濯器が洗濯を終えたようで、フタがパカッと開く。テオが興味津々に中のタオルを取り出すと、タオルは半乾きの状態だった。

 私は洗濯後の説明をする。

「地の魔石の脱水はこのくらいまでしてくれるから、後はお日様に当てて干してもいいし、もう一度この洗濯器の中に戻して“緑のボタン”で乾燥をすることも出来るよ」


「乾燥!? あっ、風の魔石?」

 と、テオ。

「うん。魔石と風の魔石で風を送って乾かすんだ。それも終わったらまたフタが開くよ」

「じゃぁ、もう外に干す必要なんて無くねぇか?」

 と、クウガ。私は首を横に振る。

「お日様に当てた方が殺菌とかしてくれて気持ちが良いから、外に干すメリットはあるよ。個人の洗濯物は自由に干すなり乾燥なりしたら良いけど、客室のシーツとかは今まで通り晴れた日は外に干した方が良いかも」

「なるほど」

 と、一同。


⸺⸺


 更に私は“風の魔石”を使って、髪を乾かす“魔導ドライヤー”や掃除機ならぬ“魔導掃除器”など、前世では当たり前にあった家電を発明することが出来た。


 洗濯器のような大きくて重たい魔導具でも、魔導圧縮袋や魔導圧縮木箱に入れて販売をすれば、簡単に持って帰ることができる。

 これを機に販売が難しかった“魔導冷蔵庫”や“魔導冷凍庫”、更には“魔導式かまど”なんかも発明をし、商品化した。魔導具屋さんはますます繁盛してしまいそうだ。


 前世の知識の発明だけではなく、魔石を研究し尽くしての発明にも成功。

 例えば“魔導ジョウロ”。これはただ水の魔石を使って水を生成するだけではない。動力源に“木の魔石”も使用しており、木の魔石には植物の成長を促進させる力がある。

 そのためこの魔導ジョウロで水をあげた植物は普通に育てるよりも早くすくすくと成長するのだ。


 この魔導ジョウロはローラの実家に販売。これでコーヒー豆や茶葉も予定よりもずっと早く収穫することができるようになった。



 安らぎ亭の客室も設備がより充実して更にグレードアップ。安らぎ亭は今ではユグドーラ屈指の高級宿屋だ。


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