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恋に破れた転生王女はツアコンを目指します  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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迷宮の竜が私達を皆のところに連れていってくれました

「見つかって良かったわ」

 ネックレスが見つかって私はほっとした。


 ティラノザウルスのティラちゃんが大きく頷いていた。ティラちゃんの安堵のしようからして、このまま見つからなかったらティラちゃんは責任を取らされて、焼きティラちゃんになって食べられるのではないかと危惧していたのではないかと思う。

 いくら何でも、私はそんな酷い事はしないわよ!


「あれ、空があかね色に変わってきたわ」

 青空が夕焼け色に染まっている。どうやら夕方になったらしい。


 私はツアーの皆のことが気になってきた。

 特にヨハンのことが……

 きちんと残りの皆をちゃんと宿に帰せただろうか?

 まあ、モーリス達がいるから問題ないと思うけれど……



 取りあえず疲れ切った私達はその日はそのままそこで野営することになった。

 夜は冷えるそうで風邪を引くかもしれないということで、

「じゃあ火を焚けば良いんじゃない?」

「何を考えているんだ! 迷宮で火を焚くのは厳禁だろう!」

「ギャオーーーー」

 一人と一匹に注意されてしまった。

 そう言えば昔火を焚いて大変なことになったのを思い出していた。


 その後私をどちらが温めるかで一人と一匹で喧嘩していたが、結局一人と一匹で私を温めてくれることにしたらしい。

 私は一人と一匹の間で挟まれて野宿したのだった……




 その夜私は夢を見た。

 小さい頃の自分だった。

 ロンバウトと一緒に迷宮で迷って、寒いと思って火を焚いたのだ。

 その瞬間だ。空から大量の水が降ってきて、私達は濡れ鼠になった。

 火はあっという間に消えてしまった。


「最悪じゃない!」

 私は唖然としてしまった。

 寒いし、水で冷たいし本当に最悪だった。


 私は仕方なしに、服を脱いで、服の水を絞ったのだ。

 なんか、ロンバウトが驚いて見ていた。

 その頃の私は恥ずかしいなんて事は微塵も思わなくて、

「さっさと脱いで絞りなさいよ」

 ロンバウトに命じていたのだ。

 なんかもじもじしていたロンバウトがとても可愛かったのを覚えている。


 そのまま、私達は抱き合って朝が来るまでお互いを温め合ったのだ。

 ロンバウトの体がとても温かくて私は寝てしまったのだった。


 元気だけが取り柄の私は風邪を引かなかったけれど、確かロンバウトは風邪を引いたんだった。それで体が熱かったのだ。モーリスがもう少し来るのが遅かったらロンバウトは死んでいたかもしれなかった。その時と同じでロンは温かい……


 なんかとなりがもぞもぞ動いたので、私は目を覚ました。

 なんか大きな体に抱きしめられていた。

 あれっ、ロンバウトが大きくなっている?

 その瞬間、私ははっとして目を覚ました。


「いやあ、寝ているリーゼも可愛いね」

 私を見てニヤニヤ笑っているロンバウトがいたのだ。


「きゃっ」

 慌てて飛び起きる。いつの間にか私はロンバウトに抱きついて寝ていたみたいだ。


「ウーーーー」

 横にいたティラちゃんが不機嫌そうに呻いていた。


「何を慌てているんだ。昔は素っ裸で抱き合った仲じゃないか?」

「子供の時と今は違うわよ」

 ニヤニヤ笑って冗談を言ってくるロンバウトに私は文句を言った。


「それよりこれからどうするのよ」

 朝食代わりのリンゴを食べながら私は聞いた。

 黄金のリンゴはとてもジューシーで美味しかった。

 いくらでも食べられる。


「来た道を覚えているか?」

「そんなの覚えている訳ないじゃない! 追っ手を撒くためにめちゃくちゃに走ったのに!」

「そうだよな。どうしようか?」

 ロンバウトはしかめ面をして考え出した。

 考えても道を覚えていないのならばどうしようもないわよ。


「ティラちゃん、入り口への道は判らないの?」

 私が取り敢えず聞いてみると

「ギャオーーーー」

 なんと、自信たっぷりにティラちゃんは頷いてくれたのだ。


「本当かよ?」

 胡散臭そうにロンバウトはティラちゃんを見てくれたが、ここは信じるしかないだろう。

 だって二人とも判らないのだから。


 ティラちゃんは自信満々に歩き出してくれたのだ。

 躊躇するロンバウトを残して私はさっさとティラちゃんについて行った。


「ちょっと待てよ」

 慌ててロンバウトも追いかけてきた。


 ティラちゃんは呪文を唱えないでも門を開けられるみたいで、次々に門が開いていった。


 そして、二時間くらい進んだ時だ。

 いきなり真っ暗な部屋に出た。

『黒の間』だ。

 門が開いた先には、騎士団を指揮するモーリスがいた。


「リーゼ様!」

 慌てて駆け寄ってこようとしたモーリスはティラちゃんをみて、ぎょっとした。

「ここまで案内してくれたのよ。私の友達のティラちゃんよ」

 私は皆に自慢して紹介した。

「ギャオーー」

 ティラちゃんが吠えてくれた。

 騎士達が慌てるが私はなんでもないと手で制した。


「左様でございましたか! 良かったです。これから丁度探索に向かおうとしていたのです。おおおお、ロンさんもご無事でしたか?」

 モーリスは後ろから顔を出したロンバウトを見てほっとした顔をした。それはそうだ。帝国の皇子が迷宮で失跡したなんて事になったら外交問題になる。


 私達は出口に向かおうとした。

「ギャオー」

 悲しそうにティラちゃんが声を上げてくれた。

「えっ、ティラちゃんは来ないの?」

 私が声をかけるとティラちゃんは悲しそうに首を振ったのだ。


 私は慌てて、ティラちゃんにかけよった。

 ティラちゃんは首を下ろしてくれて、私に頬擦りしてくれた。

「ティラちゃん、ここまでありがとう!」

 私はティラちゃんに抱きついて御礼を述べた。

「ギャオー」

 ティラちゃんは悲しそうな顔をして、立ち去る私をいつまでも見送ってくれたのだ。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

次は明朝完結予定です。

今しばしお待ちください。

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

この前の作品はこちら

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/


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『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
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表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

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