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恋に破れた転生王女はツアコンを目指します  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して


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客室で友人と話していたら鍵の閉まっていた扉が開いてバスタオルを腰に巻いただけの帝国皇子が現れました

「ご無事で良かったですね」

「本当に皆様にはご心配をおかけしました」

 その夜の食事の時に皆を回ったら皆が口々に心配して声をかけてもらえた。


「あなたが、無事で良かったわ。これからは気をつけるのよ」

 私の方を見向きもせずにエーディットはそう言ってくれたが、不機嫌そうな物言いにもかかわらず、その目元は少し緩んでいた。添乗員に文句を言ったら壁を突き抜けて墜落死したって話になっていたら、エーディットがいくら侯爵令嬢でも、今後の貴族界での生活に影響が出たと思う。

 まあ、私はあれくらいの崖から落ちても大丈夫だけど……小さい頃からお転婆なのでいろいろとやらかしているのだ。


「周りに及ぼす影響を考えて行動せねばなりませんよ」

 もっともモーリスからは後で少しお小言を言われたが……


 本当にまずい。


 添乗員報告書にはきちんと書いたけど、これは完全に叱責一直線だろう。

 でも、私は普通に添乗していただけだし、落ちたのはエーディットが迫ってきたからだ。私は何も悪くないのに!


 そもそも新人の私ともっと新人のヨハンの二人で添乗に出すのが間違っていたと思うんだけど……


「リーゼさん、大丈夫ですか? あんな崖から落ちて」

「ヨハン、大丈夫よ。ロン様にうまく助けて頂けたし、打ち所も良かったみたいで、全く問題ないから」

 心配したヨハンには笑っておいた。

 今は護衛と添乗員で明日の打ち合わせだ。護衛と私とヨハンが揃っていた。


「本当に護衛達は何をしていたんだ」

 ヨハンが護衛を見て文句を言った。


「おい、小僧、俺達はその時は各班の客の護衛しているんであって、添乗員の護衛はしていないぞ」

 ヤンがいきり立って反論してきた。

「何だと、貴様雇い主に対してその口の利き方は何だ」

 二人が喧嘩しそうになる。

「ヨハン。護衛のヤンの言う通りよ。彼に過失はないわ」

「それはそうですけれど、その言い方は」

 ヨハンがなおも言い募ろうとするが、

「今回、悪かったのは私よ。エーディット様に詰め寄られても下がらなければ良かったんだから。壁があんなに脆くなっていたなんて思ってもいなかったわ」

 私はそう言いながら皆を見回した。

「明日の迷宮は本当に気をつけてね。迷宮はどこに余計な仕掛けがあるか判らないから、お客様には絶対に壁とかに触れさせないでね。それは貴方たちもよ。どこに飛ばされるかも判らないんだから」

 そう言いつつ、全員に今回行く迷宮の地図を見せる。


「この地図は各自に頂けないんですか?」

 ヤンが聞いてきた。

「いる?」

 私が聞くと

「前もって予習しておきたいなと」

 ヤンが殊勝にも言ってくれた。


「必要ならば写してもらうしかないわ。会社がこの迷宮を管理してる所からもらえたのは1枚だけだから」

 私は笑って言った。

「後は土産物屋にこれをデファルメした物は売っていたと思うけれど」

 私は参考で教えてあげた。


 昔、この迷宮を探検した時に私が作った地図はあるけれど、それは国の極秘事項だから見せる訳にはいかない。


全員と明日の迷宮について事細かに打ち合わせしたのだ。


それが終わったのは夜も遅くなっていた。


「リーゼさん、軽く飲みませんか?」

ヤンが誘ってきたが

「明日の準備があるから私は良いわ。貴方たちもあまり遅くならないようにね」

私は釘を刺すとヤン達と別れて添乗員の部屋に向かう。



帰ると同時にノックの音がしたのだ。

「はい?」

出るとそこにはステファニーが立っていたのだ。


「どうしたの? ステファニー。私、早く寝たいんだけど」

昨日の婚約者の愚痴の続きを聞かされたらたまったものじゃなかった。

「もう、リーゼは冷たいんだから」

そう言うとステファニーは私の氷の視線を無視してさっさと中に入ってくれたのだ。


「今日、ロン様と凄かったじゃない。穴に落ちるリーゼを助ける為にダイブするロン様の姿、私是非とも見たかったわ」

夢見るようにステファニーが言ってくれるんだけど、

「何言っているのよ! 私は危うく死にそうになったのよ。そんな余裕なかったわよ」

私が文句を言うと、

「何言っているのよ。あなた、一度天体観測って言って学園の屋根によじ登って落ちてもびくともしていなかったじゃない。あれっくらいの穴に落ちてもびくともしないでしょ」

さも当たり前のようにステファニーは言ってくれるけれど……

「いくら私でもあの穴は大変だったわよ」

「でも、ロン様が強化魔術か何かで助けてくれたんでしょ」

「それはそうだけど……」

本来は助けてもらう必要は全くなかったのだ。

「二人きりで穴の中で愛を囁いていたんじゃないかって最後の馬車の中で話題になっていたわよ」

興味津々という顔でステファニーが聞いてくれた。

「あなたまた、婦人達の前で余計な事を言ったんじゃないでしょうね」

「私は何も言っていないわよ」

ステファニーは否定してくれるけれど、絶対に嘘だ。

「お客様の一人がとても心配していらしたから、

『リーゼは学園の鉄塔の一番上から滑り落ちてもびくともしていませんでしたから大丈夫です』

って、私が言ったら、

『リーゼさんはお転婆ですものね』

ってファルハーレン伯爵夫人が笑っておっしゃって、皆で頷いていただけよ」

「ちょっと、何なのよ! それは! 普通はあんな高いところから落ちたら死ぬわよ!」

私が文句を言うと、

「だって事実じゃない。死んでいないし!」

「私は女子寮の屋上でしょ」

ステファニーの言い訳に私が反論すると、


「あなたならびくともしないわよね」

「でも、事実じゃないじゃない!」

「ほうら、やっぱり」

私はそれ以上反論できなかった。


「それよりもその後でロン様と馬で2人乗りしていたじゃない! めちゃくちゃ雰囲気良さそうだったわよ」

喜々としてステファニーが言ってくれたけれど、

「あなた、私は乗馬が苦手なの知っているでしょ! 必死に腕に捕まっていただけよ」

私が事実を言うと

「まあ、抱き合っていたの」

「違う! 落ちないように捕まっていたんだって」

私が否定した時だ。


何故か付いていた隣の部屋に繋がる扉がキーと開いたのだ。鍵が閉まっていたはずなのに!

そして、そこに、酒でも飲んだのか赤ら顔になったロンバウトが顔を出したのだ。

それも下着をはいていなくてバスタオルで巻いただけの姿で……


「「えっ?」」

私達は目を剥くと同時に

「キャーーーー」

思わずステファニーが悲鳴を上げてくれたのだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございました。

どうなるロンバウト?

続きは今夜です。

お楽しみに


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

この前の作品はこちら

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
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表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://ncode.syosetu.com/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

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