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第一章:退屈な千年

神であるということは、案外退屈なものだった。


朝日を昇らせ、雨を降らせ、大地を豊かにし、人々の祈りを受け取る。それが日課。千年も繰り返せば、さすがに飽きも来る。


「……また、同じ祈りか。豊作、病気平癒、戦勝祈願……お前たち、本当に変わらないな」


神座に腰掛け、無数の祈りを前にして男はひとつため息をついた。名は――もう忘れた。神となった瞬間に、人間としての記憶は霞のように薄れていったのだ。


「もういいだろう。俺は充分にやった。いや、やりすぎたかもしれない」


そう呟いた瞬間、空間に亀裂が走る。


神界を統べる運命の書――「カルマの書」が静かに現れた。


『神位返上を希望しますか?』


文字が浮かぶ。


「うん。したい」


迷いはなかった。神は、ただの一人の男として、生まれ変わることを決意した。


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