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ミランはそんな思いを振り切るように、大刀を握る手に力を込めた。


「そこをどけ」


一歩、二歩と歩みを進める。裸足の足が、その足指が、無機質な廊下を捉えながら、進む。ひた、ひた、と冷たい感触が足の裏から伝わり、脳へと運ばれる頃、ミランの頭はその冷たさにキンと冴えた。


ルォレンの構える剣の間合いギリギリのところで、歩みを止める。


「どかない」


「どけと言っている」


「力ずくで通ればいい」


「では遠慮なく、通してもらおう」


ミランが廊下の床を蹴った。


「やあああっっっっ」


大刀を振り上げたかと思うと、すぐに下ろして、真っ直ぐに突く。


それをルォレンが身体を反らせ、かわした。


狭い廊下で大刀を振り回すのは難しい。ミランは刃を返して、素早く第二弾を繰り出す。次なる攻撃に、ルォレンは剣で応じた。


大刀が真っ直ぐに突かれるところを、身体を避けたルォレンの剣の刃が重なり合って、滑っていく。


ギギギギッと、頭から足の爪先までにその音が走り響き、ミランはすぐに大刀を引いた。そして、大刀の天地をひっくり返す。


ルォレンの懐に入ると、握っていた大刀の握り手をルォレンの腹へと入れた。


「ぐうっっ」


どかっという音とともに、ルォレンの呻き声が上がる。身体を折り曲げながら、その場に崩れ落ちると、ミランはその横をしなやかに通り過ぎ、ドアを蹴った。


「ティアっ」


部屋の中に入り、ベッドに寄る。壁側に身体を寄せて、身を縮めていたティアの姿を認めると、ミランは勢いよく一番奥の鉄格子を足で蹴った。


「ミラン様っっ」


ガランと音がして、鉄の格子が外れる。


「ティア、こちらへ来るんだ」


ミランが手を伸ばす。


ティアは初め、その手を取ろうと自分の手を伸ばしたが、すぐに引っ込めてしまった。


「ミラン様、わ、私……」

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