表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/48

31


ドアを開けて入ってきた男が、頭を下げる。男は言いにくそうに顔をしかめていたが、表情を変えないルォレンの前で観念したのか、切羽詰まったように早口で言った。


「申し訳ございません。竜めを取り逃がしました」


ルォレンが男を一瞥する。


「……そうか。わかった。下がれ」


「はい」


短い返事に、男の顔に緊張が走る。頬は引きつっていて見るも哀れな表情となる。モニはこの男が相当、ルォレンのことを恐れていることを知った。


(シュワルトはどうやら逃げたらしい)


「おい、お前の仲間が迎えに来るぞ」


「まあね。シュワルトもミランを愛しているから」


その言葉に、ピクッとルォレンの眉が反応した。


だが、直ぐにベッドの上に放ってあったベルトと剣を取り上げると、すかさず腰に巻き、剣の位置を直す。


「悪いがミランは俺が貰う」


「なんだって‼︎」


「幼い頃に別れてから、俺はずっとミランを探し続けてきた。お前らの愛などは俺には関係ない。ミランは俺のものだ」


「これはこれは……お前がそこまで何かに執着するのは、いたって珍しいな」


種類の違う声がして、モニは慌ててドアの方へと顔を向けた。


半開きのドアから、一人の老人が入ってくるところだった。


中華風の洋服をまとった老人は、音も立てずにすうっと部屋の中へと入ってきた。


モニは老人のその異様な雰囲気に圧倒された。ごくと唾を飲み込んだ。 もちろん立ち居振る舞いにも圧はあるが、目を惹く、その見事な白髪。


(まさかこの人が『白蛇』?)


『白蛇』は死に、『黒蛇』が実権を握っていると聞いていた。


「……ラオレン」


ルォレンが丁寧に頭を下げる。


(やっぱり、そうだ)


どうやらモニの勘が当たったようだ。


「まさかその女盗賊を捕まえるために、あの翼人をさらってくるとはな……引退した身で、お前のやることにいちいち口は出さぬが、」


口調は優しいが、貫禄のある物言いに底知れぬ恐怖を感じて、モニは外へと出していた尻尾を仕舞い、前で抱きかかえた。ふるっと震えがくる。


「くだらんことに兵を使うな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ