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「なんだよこれ、もう最悪」


手のひらに乗るほどの窮屈な籠の中に押し込められたモニは、その居心地の悪さに頬を膨らませながら文句を垂れた。


着替えをする男の背中に声を掛ける。


「あんた、本当にミランの幼馴染なの?」


「そうだ」


メイファンの首領、黒蛇のルォレンは小さな声の主へと振り返ってから、上着を羽織ってボタンを留め上げた。


モニはふんっと顔を背けながらも、横目でちらとルォレンを見た。


野性味のある精悍な顔。すらりとした肉体。


剣の腕前はわからない。


だが、そのきびきびとした身のこなしで、いつも女の尻を追いかけているシュワルトのような鈍臭さは感じない。


ルォレンが羽織った黒のジャケット。そのシンプルな形が、ルォレンのしなやかな身体の線を浮かび上がらせている。だぶついているズボンを履いているが、鍛え上げられた上半身からみれば、その筋力も一目瞭然だ。


(鍛えてる。さすが盗賊団の首領だ)


「初めからミランを狙っていたんだ?」


「…………」


格子状の籠は確かに手のひらに乗るほどの大きさだが、それでも小さなモニにとっては十分な牢獄だ。格子の間から長くふわふわとした尻尾を出して振ると、モニは格子を握った両手を揺らした。


「ミランになんかしたら、ボクが許さないぞ」


握った格子を揺らすたびミシミシと音がするのは、この籠が植物の蔓で編んだ簡易なものだからであろうか。ガシガシと立派な前歯でかじっては、ぺっぺっと口に入った蔦のかけらを吐いてみたが、容易に脱出は不可能だ。


ジャケットをきちんと着たルォレンは、手首のボタンを留めながら、サイドテーブルに置いたモニの籠の方に目をやった。


「お前は、ミランとは長いのか?」


「そりゃそうさっ。ミランとボクは一心同体だ。ボクはいつもミランの側にいて、ミランを守ってる。シュワルトだって、」


そこで、ドアがトントンとノックされた。


「入れ」

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