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リンドバルクのあの執着ぶりを鑑みると、戻ればこれからも鎖につながれたような生活をしなければならないだろう。


(だが、依頼は依頼、だ。仕事なのだから、やむを得まい)


ミランにとっては、それこそが生きていく糧なのだ。


「とにかく、早くここを出なければならないな」


ミランはベッドの上に横になると、目を瞑って考えた。この鉄の格子を抜けるのは簡単だ。だが、人質になっているモニのことが気がかりとなる。下手に動けば、モニに危害が及ぶはめとなるだろう。


(モニを、……なんとしても助けねば)


ミランはそのまま、ティアの啜り泣きの声を遠くに聞いていた。


✳︎✳︎✳︎


「ミラン、」


どれほど眠っていたのだろうか。


優しげな声が、耳の奥へと届く。


「ミラン、ようやくお前に会えた」


黒蛇と対峙した時にも、同じような声と言葉を聞いた。


ミランは重い瞼を少しだけ開けて、真っ直ぐに見た。


天井は白く、ぼんやりと豪華な飾りのついた電灯が、目に入ってくる。


黒蛇に捕らえられ、天蓋ベッド付きの鉄格子に入れられてから、ミランは差し出された飲み水や食料を軽々しく口にはしなかった。


「どうせ、毒入りだろう」


「ですが、何も食べずではそれこそ死んでしまいます。私たちが殺されるということはありません。私もずっとここで食事をとってまいりましたが、この通り生かされています。だから、お願いです。どうか、お水だけでも」


ティアに懇願されて、ミランは仕方なく、水を飲んだ。


「それでこの有様か」


霞がかかっていた頭は、次第にくっきりと雲ひとつない青空のようにクリアとなってくる。身体を半分起こすと、ジャラと鎖の音がして、自分の両足首に足かせが付けられていることに気がついた。ひやりと冷たい無機質な感触。


今は鉄格子のないベッドの上に寝かされていて、眠っている間に部屋を移動されたようだった。


「すまない、このようなもので拘束などして」


側に男が座っているのはわかっていたが、敢えてミランは振り向かなかった。


「強い薬ではないから安心しろ。もうそろそろ抜ける頃だ」


「こんな姑息な手を使ってまで、私に何の用だ?」


「ミラン、お前に会いたかった」

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