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「モニの大きな耳は本当に役に立つな」


ミランがこぼれたナッツの欠片を、そのまま口へと入れた。


シュワルトが慌てて、口を挟む。


「リの国主の宝を盗む時にも、黒蛇白蛇の間で、一悶着あったらしいんだ」


「そうなのか?」


「黒蛇がどうしてもって譲らず、そこでなんらかの遺恨が残ったらしい。その後に白蛇が急死しちゃあ、黒蛇が疑われるのも仕方がないだろうな」


「トップが二人ってのも、大変なんだね」


「まあ世代が違えば、意見も違うだろうからな。今まで上手くやっていたのが不思議なくらいだ」


ミランがそう言うと、二人は同じように頷いた。


「白蛇の死因はわかっているのか?」


すかさずシュワルトが言う。


「心臓だってさ」


「では、病死ってことか」


「そうとも限らないだろうけど」


「…………」


ミランが考え込む。


「情報量では僕の勝ちだな、モニ」


シュワルトがふふんと鼻高々に言うのを見て、テーブルの上でナッツを食べていたモニが、シュワルトへと食いつく。


「はああ? ボクだって、ちゃんと地下迷路を攻略してきたんだからなっっ」


「ナッツを置いてだろ? バカだなあ、そんなの他のネズミに食べられちゃうだろ? 今頃はもうすっからかんだぞ」


モニは持っていたナッツを机の上に叩きつけると、足を踏みならして怒った。


「そんなことわかってるっ‼︎ ちゃんとナッツは回収してきたっ‼︎ その上で迷路を頭に入れてあるんだから、お前にバカだなんて言われる筋合いはないっ‼︎」


モニが叩きつけたナッツがテーブルを転がっていき、下へと落ちそうになる。その寸前でシュワルトが手で受け取り、そして口に放り込んだ。


「おい、二人ともやめないか」


ミランが一喝し、二人は口を閉じた。


「シュワルト、お前は引き続き情報を取ってきてくれないか。それから、モニは私と一緒に街中を歩いてくれ。どこら辺に盗品の保管部屋があるのかを、地上からも知っておきたい」


「わかったよ」


「なあ、お前たち二人が居なかったら、私はこうして無事に生きてはいない。二人とも私の大切な仲間だよ」


ミランがそう言って笑った。数少ない笑顔だ。


そのミランの笑顔を見て、二人は顔を見合わせてから、嫌々ながら拳を合わせた。

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