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腰に下げた麻袋の中でモニの声がしたが、ミランは自由になった足をさらけ出して広げると、がっちりと構え直した。


かかとの高い、動きにくい靴はすでに脱ぎ捨てていて、裸足の足裏が床の温度を吸う。


しっとりとした足裏が、床を強く蹴るにはもってこいだ。


「リンドバルク様っっ」


そこへ、黒装束の一人を倒したルイがリンドバルクの前へと戻った。ミランとは距離を置いて、剣を構える。


棍棒は、そこいらに投げ捨ててあり、ルイは剣を両手で握った。


ライはもう一人の黒装束と戦っている。


ちらっと目を配る。周りに人はおらず、来賓はどうやら蜘蛛の子を散らすように、逃げていったようだ。


「二対一では分が悪いぞ」


ミランが低く言うと、女は身じろぎした。


「もうすぐ弟が勝って、三対一になるがな」


ルイが言い放つ。


ここで観念したのか、女が踵を返して走り出した。ガラスが散乱するバルコニーに飛び込むと、手すりをひらりと超えて、中庭を走って逃げていった。


その様子を見てから目を戻すと、ライが倒した黒装束が同じように倒れている。


「リンドバルク様、お怪我はありませんか?」


ルイがひざまづく。そして、ライも後からやってきて、同じくひざまづいた。


頭を下げていたリンドバルクはよろっと立ち上がると、椅子にどかっと腰掛け、天を仰いだ。


「ああ、ミランよ。お前がいなかったら、どうなっていたことか」


「もう一人、用心棒を増やすのだな」


ミランが大刀を鞘に仕舞う。


「宴は終わりだ」


そして、ミランは倒れた黒装束をまたぐと、散らばった料理の間を器用に避けながら、部屋を出ていった。

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