表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/18

【10話/11月7日更新】夜も更けて

 「あらら、いつの間に…もうこんな時間」


 サトミが車両の前方の柱に掛けられた時計を指差した。


 お喋りに夢中になっていた3人は、もう夜になっていることにやっと気がついた。


 「明け方には終着駅に到着すると思うわ。」


 エミリアは自席でブランケットを取り出しながら言った。


 「明日は向こうに着けば手続きとか色々しないといけないし…今のうちに休んでおきましょう。」


 おやすみー、とブランケットを膝に乗せ、さっさと眠りについてしまった。

 アレンも、じゃあ…と言って自席に戻って行った。


 この木製の硬い座席ですぐに寝るとは…と感心しながら、サトミも自席に戻った。



 何時間くらい経っただろうか。

 

 眠れない……!!


 すっかり周りの乗客は寝ているようだが、サトミは一睡もできないまま窓の外をぼーっと見ていた。


 そういえば私、夜行バスも眠れないタイプだったわ…。


 前世でのイベント帰りのバスを思い出した。

 みんなコスプレイベントで疲れて帰りのバスは快眠だというのに、私1人眠れずにブランケットの中でスマホをゴソゴソと操作していたような。


 そういえば、いちばん後ろの車両には展望デッキがあるってエミリアが言ってたな。


 せっかくだし行ってみよう。どうせ眠れないし!


 そう思い、サトミは席を立った。


 

 展望デッキに続く扉を開けると、ひんやりした空気が流れ込んできた。


 わっ!と驚きながら展望デッキに出て、扉を閉めた。


 線路の両側に無限に続くように聳え立つ針葉樹をぼーっと眺めながら、瞼を閉じてひんやりした空気を感じていた。


 しばらくすると、すぐ後ろの扉が開く音がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ