ページ17 応援する声
鳥さん 金網の上
トッてったっ と歩いていく
翼、ひらいて ひらりと 羽根が落ちる
カウントはデュース
空中に投げた うかぶボール
ラケットで サーブはじく
後ろから聞こえる 応援の声、誰だろう
返ったボール、線の内側 カウント向こう
もう そろそろ限界か
相棒は くたくただけど
声はもちろん はりきって
おし、もう一本いこう
がんばれー 応援の声 きき覚えのある声
でも、いまは 集中 集中
打って ひろって 返して
はねて ハシる
打って ひろって はじいて
追いかけて
それでもカウントは 悪いままで 負けはまけ
金網の近くまでいくと、クラスの子 二人
さらに もう一人
そっか、さっきの声は この三人か
ありがとねー、相棒と二人 手をあげる
お礼の一礼も 忘れない
相棒は もう疲れきっている
もう、ラケットは あまりふらなくなる午後
そういえば、さっきの二人は 同じ部活だねっ
もう一人は 陸上の子
せめて、と応援に 来てくれたんだねっ
ありがとう
負けても 応援があると 少し暖かい気持ちが残る
練習 もう ないかもね
そう言って、ジーッ 収納ケースにラケットしまう
でるときに 一礼
コートから退場
裏で反省だけでもしようと 相棒と二人で話す
最後でも 最初でも
他のコートの応援は
反省のあとでも やっぱりいこう
チームの応援、応援掛け声
がんばー、いけるー
ナイッショ
惜しい、まだいけるよー
その調子ー
今度は 返そう
ボールではなく 応援で 返そう
三人の 応援者のように
きみたちの応援 力になったよ
自分も応援で 力になろう
みんな 応援ありがとねっ
テニスの大会中の応援、力になりました。
でもこれがたぶん最後の試合。今度は応援された分、自分も応援者になろう。応援くれたみんなのように。
そんな気持ちを表現できたら、と想いつくりました。
みんなのように、きみのように。