「雨と彼女と、彼女の涙。」その三。
100PV達成!!
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それは角の向こうから聴こえた。
音を追って、角を曲がる。
角の向こうには、ひび割れたショーウィンドウがあった。
ブティック、だろうか?
白木を基調にした店構えは、もうかなり傷んでいるけれど、どこか懐かしく、あたたかみを感じる。
奥を覗くと、白いワンピースが見えた。
丈の長い、シンプルなデザイン。
生まれてから一度もこんな服は着たことがないのに、なぜか着たことがあるような気がした。あの『大流行』がなければ、今日みたいな雨の日にはこれを着て、水玉の傘と一緒に散歩をしていたのかもしれない。
そう思った。
ぴとり。
それは中から聴こえた。
蝶番が壊れ、斜めに垂れ下がったドアに気をつけながら中に入る。普段、晴れて乾いた日は違うのかもしれないが、店内は思ったよりも埃っぽくなかった。
しっとりと肌を撫でる雨の湿気が心地いい。
ぴとり。
奥から聴こえる。
レジカウンターを横に奥に進むと、そこに雨と彼女がいた。
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