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22章:ヴァリアントスレイヤー(8)

 スサノオですらノーダメージは避けられないはずの一撃を、ヒミコは無傷で耐えた。


「意外に肉体派なんだな」

「妾に傷を負わせることなど、誰にもできはしない」

「ダメージを全部魔力で中和してるんだろ」

「気付いたところでどうなるものでもあるまい?」

「そいつはどうかな?」


 オレはヒミコを殴る!

 殴る殴る殴る殴る殴る!

 蹴る!

 蹴る蹴る蹴る蹴る蹴る!


「うおおおおおおお!」

「くぅぅぅぅぅぅっ!」


 ヒミコは体術もなかなかだ。

 オレの攻撃をしっかりさばいている。

 しかし、どれだけ受け流されようと、一瞬接触するたびに直接魔力を流し込む。

 一発一発が、並のヴァリアントなら消し飛ぶほどの量だ。


「このままでは魔力を削りきられる……っ!」


 ヒミコはオレとの間に魔力で爆発を起こし、距離を取った。


「消え去れぇ!」


 ヒミコの指先から、漆黒のビームが放たれた。

 真っ直ぐに心臓を狙ってくるそれを、オレは空間から取り出した黒刃の剣で切り裂く。


「バカな……。全てを消滅させる闇の光を、斬っただと!?」

「悪いがこの剣は特別製なんだよ。あっちで死んでいった仲間達の魂でできてるんだ。決して消えることはない!」

「ええい、拠点にしようと思っていたがもうよい! 貴様を倒せるならな!」


 埋め立て地の足元に、直系5kmはあろうかという超巨大な魔法陣が出現した。


「いざという時にここをまとめて吹き飛ばすために用意していたものだ。いかな貴様とてこれならどうだ!」

「例え核ミサイルだろうと耐えきれるさ。由依達に張っておいた結界もな」

「そうだろうさ。だが、埋め立て地の地下深く、貴様の作ったクレーターのさらに下には『畜産場』もあるのだぞ。ざっと数千人分な!」


 畜産場……人間を食料として育ててるアレか!

 作っていると予想はしていたが、そんなにも大規模だと!?


「過去の対戦のどさくさで攫ってきてな。それ以来、あちこちで生産していたものから種を集めたのだ。戸籍もない連中だ。誰も困らぬよ。なあ、心も痛むまい?」


 ヒミコは醜悪な笑みを浮かべた。

 オレが苦しむのを見て笑ってやがる。


 こいつは他のヴァリアントと違うと思っていたが、そんなことはない。

 全て隠していただけだ。


「貴様が悪いのだ! 妾の邪魔をしたのだからな!」


 魔法陣が強く輝き出す。


 この魔力量……いったいどれだけの時間と魔力をため込んだんだ!

 埋め立て地どころか、東京が半分消し飛ぶぞ!


「うおおおおお!」


 オレは魔法陣の中心へと急降下。

 そのまま魔法陣に剣を突き刺した。


 このままオレの魔力で中和してやる!


 ゴゴゴゴゴゴゴ……


 唸るような地響きが鳴り響く。


 魔法陣とオレの魔力がぶつかり合い、地震を引き起こしているのだ。


 うおおおおおお!


 辺り一帯が強く輝き、やがて静寂が訪れた。




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