20章:私達をスキーに連れてって(12) SIDE 由依
SIDE 由依
冷えてしまった体を温めるため、私達女子四人は温泉に入っていた。
真冬の露天風呂ってとても気持ちいい。
ちらちらと降る雪がまた風情がある。
「由依さんの胸すんごい……浮いてるし……」
美海ちゃんが私の胸をこれでもかともんでくる。
「美海ちゃんだって浮いてあっ……ちょっと、やめんんっ……」
触り方がやーらしいんだってばぁ!
「じゃああたしも……」
双葉ちゃんまで!?
「どうやったらこんなに大きく……まさかお兄ちゃんに揉ませたりしてませんよね?」
「してないよ!?」
「むう……そうだったらあたしも揉んでもらおうとおもったのに……」
「兄妹でそんなことしちゃだめだよ!」
「つまり由依さんは機会があれば揉ませたいと」
「そんな話してないよね!?」
カズにだったらその……ちょっと触るくらいなら……はっ!?
私ってば何を考えてるの!?
「ふぅ……のぼせチャう……」
システィーナが湯からあがり、岩にこしかける。
なんて白く透き通った肌だろう。
しばらく運動ができなかったとは思えないくらい、ひきしまった体だ。
体中にある細かい傷や、カズが核を取り出した時につけた胸の大きな傷は、勲章にさえ見える。
「私も一緒に闘うことにしたカラ、あらためてよろしくネ」
システィーナは私達をみまわして、にこりと微笑んだ。
カズからはさっき「システィーナと一緒にヴァリアントを倒した」と聞いたけれど……。
そっか、結局戦うことになっちゃったんだ。
「体は大丈夫なんですか?」
心配そうに尋ねたのは双葉ちゃんだ。
「もうダイジョウブ。まだカズに力をもらわないといけないけどね」
「戦わないこともできるのになぜ……」
「それはみんなが戦ってるのときっと、ねっこはイッショだと思うヨ」
「一緒……そうか……そうですね」
双葉ちゃんに続いて美海ちゃんも頷く。
ここにいる四人はそれぞれ、事情は違うけれど、戦う覚悟をしたのだ。
普通の生活に憧れたこともある。
でも私は、後悔はしていない。
双葉ちゃんや美海ちゃんもそうだろう。
でもシスティーナは少し事情が違う。
彼女は十分に戦い、そこから離れる機会を得た。
彼女のこれまでを考えると、戦いとは無縁でいてほしかった。
でもきっと、時間の問題だったよね。
私だったら、絶対にカズと一緒に戦いたいと思うもの。
あ……もしかして……。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
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