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4章:パパ活ですか? いいえ、援交です。(13)

「くっ――!」


 鋭く振り下ろされたスキールニルの一撃を、由依は神器の力を使ったサイドステップでなんとか避けた。


「ひぃ……」


 完全に腰を抜かしている鬼まつりと由依を分断した剣の軌道は、続いて由依へと向かう。


「は、速っ――」


 由依はそれをさらに下がって避ける。

 人質を取られればかなりマズいが、由依が逃げつつも構えるデザートイーグルのおかげでなんとかその状況は回避できている。

 スキールニルが人質を取る動きをすれば、すぐに彼を撃つ構えだ。

 ダメージは与えられないが、隙は作れる。

 なにより、まだ一発も撃たないことで、あれを神器だと警戒させることができている。

 銃から神器の反応はないはずだが、隠密機能付きの神器もあるのだろう。

 スキールニルの視線は、黒タイツと銃を行ったり来たりしている。


「由依! 跳べ!」


 この状況で地面から足を放すのは自殺行為だ。

 だがオレを信じた由依は迷わず上へと跳んだ。


「はっ!」


 オレは剣に分解の魔法をかけた。

 刀身に黒いオーラが纏わり付く。

 それを腰だめに構え、オーラが部屋の端に届く長さまで一気に伸ばした。


 黒いオーラがビルの壁に突き刺さり――


 オレはそのまま剣を水平に一周させた。


「なっ!?」


 由依に遅れて跳ぼうとしたロキだが、その体が動かないことに驚愕の声を上げた。

 さきほど彼の攻撃を防御した際、光の剣を伝うように『束縛バインド』の魔法をかけておいたのだ。

 

 剣のオーラは、ロキの体を上下に両断、ビルの壁を横一文字に切り裂き、跳躍中の由依の足下を抜け、剣で受けたスキールニルを吹き飛ばし、腰を抜かした鬼まつりの頭上を通過した。


 ズシン――


 オーラの厚さだけ失われた壁が、だるま落としのように落ちてきた。


「由依! 鬼まつりを!」


 着地した由依は鬼まつりを抱えて、スキールニルが吹っ飛ばされたのとは逆の壁際へと下がった。


 吹っ飛ばせたとはいえ、スキールニルに防御されたのは意外だった。

 防御魔法を使ったようには見えなかったが、彼の持っている剣に何かあるのか?


「なんなんだ貴様……せっかく俺が作り上げた食堂をこんな……。ちくしょおおおおおおおお!」


 上半身だけぷかぷか浮かび、光の剣を消したロキの指輪から禍々しい魔力が大量にあふれ出した。


 何をするつもりか知らないが、そんなにタメの大きな技を単独で使うとは、判断力が鈍ってるぞ!


 オレは剣にかけた分解魔法を刀身の長さにまで戻し、指輪ごとロキの体を切り裂いた。


「分解魔法……なんでその剣は分解されないんだ……」


 か細い声を上げるロキの体がダイスサイズになるまで高速で切り刻み、床に落ちた下半身ごと魔法で焼き尽くした。


「こいつは特別製なんだよ」


 みんなの命が詰まっているんだ。


 さて、残るはスキールニルだ。


ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!


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[一言] え、その剣何か入ってんの?闇深い
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