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16章:ヴァリアント・ザ・オリジネーション(6)

「もう大丈夫かな……?」


 由依がオレに肩を寄せながら、周囲を警戒している。


「とりあえず一通り機内をスキャンしてみたが、ヴァリアントの反応はなさそうだ」


 オレのスキャンに反応しないようなタイプがいたらお手上げだが、その時はまた倒せばいい。


「そっか……」


 由依は小さく息を吐くと、神器を解除した。


◇ ◆ ◇


 そんなこんなで、飛行機はローマの近くにある空港へと着陸した。

 飛行機を降り、預けていた手荷物を受け取り、入国審査の列へと並ぶ。

 それはもう、全員そわそわしっぱなしだ。


 ざわつく周囲をよそに、オレと由依、そして美海は小声で打ち合わせをしていた。

 周囲に声が通らないよう、こっそり結界も張っている。


「ゲートを出ると、ホストファミリーが迎えにきてるんだよな?」

「そうね。生徒1人につき1家族だから、バラバラになるわ」

「うぅ……初めて会う人の家に泊まるなんて……」


 美海の気持ちもわかるが、問題はバリアントと遭遇した時だ。

 オレと由依の持つPHSは海外対応をしていない。


「二人の額にオレの魔力をつけておく。何かあったら、額に魔力を集中してくれ。オレがかけつける」

「やっぱりこっちにもいるのかなあ?」


 美海は不安げに周囲を見回す。


「飛行機にもいたからな。『組織』の支部は世界中にあるらしいし、遭遇すると思っておいた方がいい。いつもみたいに積極的に狩ったりはしないがな」


 日本では自分達の安全のために狩りをしていたが、イタリアに来てまでそんなことをする必要はない。

 というより、下手に狙われないようにすべきだろう。

 イタリアのヴァリアントを日本にひきつれてきたなんてことになったら目も当てられない。


「え? 飛行機でヴァリアントが出たの?」


 美海が気付いていないなら、他の乗客に気付かれたということもないだろう。


「まあな。そういやこっちには、バチカン最強の戦士とやらがいるんだろう?」


 これは由依への問いだ。


「ええ。ローマを拠点にしているという噂だけど、ヨーロッパ中を飛び回ってるから会えるかはわからないわね」

「できれば会いたくないなあ」

「なぜ?」

「そういうのに会うってことは、ろくでもないことに巻き込まれるってことだろ?」

「たしかにそうね」

「パターンだよねえ……」


 そろってげんなりする3人である。


 だってほら、何もなしに帰れる気がしないだろ?




 ゲートを出ると、いよいよイタリアの地だ。

 もしここがドイツなら、「ドイツの科学力は世界一ィィ!」とでも叫んでおきたいところである。


 たくさんのホストファミリーが、生徒の名前を書いた札でオレ達を出迎えてくれている。

 そんな中、オレの目を引いたのは一人の美少女だった。


「カズさんお久しぶり!」

「なんで華鈴さんがここに!?」


ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!


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[一言] 「カズさんお久しぶり!」 言ってるそばから巻き込まれた
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