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16章:ヴァリアント・ザ・オリジネーション(3)

「やはあっ、白鳥さん。今日も良い天気だね」


 見ようによってはイケメンと呼べなくもない顔に、ややひょろいが高身長。

 ムダに髪を手でかきあげるクセをなくせば、多少はもてなくもなさそうな男子である。


「曇ってますが……」


 由依は強く否定するのもはばかられたのか、やや困り顔だ。


「くっ! 昨晩の天気予報は晴れだったのに!」


 もしかして、今のセリフを昨晩から練っていたのか?


「だが白鳥さん! ボクは小さな頃イタリアに住んでいたんだ。だから仲間にしてくれれば役に立つはずさ!」


 ゲームのNPCが仲間になりたそうにしている感じだなあ。


「なんか、ゲームのキャラみたい」


 おい美海、声に出てるぞ。

 幸い小さすぎて誰にも聞こえなかったみたいだが。


 由依はちらりとこちらを見た。

 判断は任せるということか。


「いやあ、今回はパスかなあ。ごめんな」

「なんでだ! 現地の言葉を喋れるメンバーは役に立つだろ!」

「役に立つ以上にめんどくさそうだし」

「どこが!?」

「その性格なら、自覚なんてないよなあ」

「し、白鳥さーん!」


 あ、本人に泣きついた。


「ごめんなさいね」


 由依がかわいらしく手を合わせると、男子生徒はぼんっと顔を赤くした。

 男子生徒はそのままオレと由依の顔を交互に見比べると、オレをびしっと指さした。


「ふんっ! 後悔するぞ! いいな! 後で泣きついても知らないからな!」


 そうして、捨て台詞とともに、自分の席へと立ち去っていった。

 濃ゆいなあ。

 ちょっと変わったヤツだとは思っていたが、普段から目立つというタイプではない。

 一念発起したのだろう。


「ちょっとかわいそうだね」

「そうだな……」


 ぽつりと言った美海に、佐藤が同意する。

 ぼっちぎみ同士、通じるところがあるのだろう。

 というか、最初の人生で考えると、この四人って全員ぼっち気味なんだよな。

 由依だけは他の三人とは違う理由だが。


 少々同情してしまう気持ちもわかるが、できるだけ身軽な方がいざというときに動きやすいのだ。


 オレ達がそんなやりとりをしている間も、クラスでは班から抜け出して最後の枠にすべりこもうとする輩による裏切りの地獄絵図が展開されていた。

 それは由依が、「私達は4人だけで組むから」と宣言を出すまで続いたのだった。


 大丈夫かよこのクラス……。


ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!


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新連載『1泊7日の許嫁達』を開始しました。

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