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9章:ラブレターフロムギリシャ(15)

 顔合わせから一夜あけ、今日から本格的に訓練が始まる。


 今日は教官による戦略訓練はなく、オレによる戦術指導のみだった。

 午前中は基礎の鍛え直しと、午後からは模擬戦。

 模擬戦ではチームを3つに分けてのバトルロイヤルだ。

 十人ずつの北欧兵士チームと、オレと由依は2人で1チームにした。


 オレは全力で手加減をしつつ、ほどほどに由依のサポートだ。

 由依にはこれを機会に、対多人数戦の訓練をしてもらおう。


 結果はもちろん、オレと由依の圧勝だった。




 そんなこんなで訓練初日の夜。


「なんだこの訓練……」「いつもの百倍きついぞ」「あのお嬢ちゃん、あの訓練についてくるなんてナニモンだよ」


 兵達は全員ぶっ倒れ、死屍累々となっていた。


「さて由依、じゃあオレ達は訓練を始めるか」

「うん。準備運動は終わりだね」


「「「は?」」」


 連れだってその場を離れるオレと由依を見た兵士達は、そろって声を上げたのだった。




「カズと二人で特訓するの久しぶりだね」

「言われてみればそうだな」


 双葉が合流してからは、三人での特訓ばかりだったからな。


「えへへ、今日は何するの?」


 それなりに疲れているはずなのに、由依は嬉しそうに笑った。


「夜の水中戦の訓練をする。水中戦はかなり勝手が違うからな。なれておいた方がいい」

「それで水着なのね」


 今の由依は競泳水着を身につけている。

 競泳水着に黒タイツというマニアックの極みのような格好だ。


「慣れてきたら普段着でもやるが、初日は動きやすさ重視でな」

「ビキニじゃないとちょっと苦しいかも……」


 由依の大きな胸が、水着の下から強烈に主張している。

 ビキニも見てみたいが、激しく動くと脱げちゃうかもしれないからな。


 そういうオレはハーフパンツにTシャツである。

 体表面に薄い防護膜を自分で張れるので問題ない。


「水中での呼吸は?」

「できないよ」


 だよな。

 オレは由依に水中呼吸の魔法をかけた。

 本来は自分でかけられない魔法をかけてやるのは、緊急時に対応できないのでさけたいが、今回は呼吸のみアリでいく。


 さらにオレは魔力の糸を由依に伸ばし、思考で会話できるようにした。

 宇宙空間でも使っていた方法である。


 オレと由依は海に潜る。

 月明かりがわずかに届くかどうかの海の底。

 陸よりも深い夜が広がっている。


「由依は水中で使える技を持ってるか?」

「専用のはないけど、グングニルは発動できるよ」


 水中では由依が得意とする脚を使ってのスピードが活かせない。

 そういった状況でも、自分の身くらいは守れるようにするのが、この訓練の目的だ。



ここまでお読み頂きありがとうございます。

続きもお楽しみに!


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