2章:異世界帰りだと学校でも無双(5)
そんなこんなで体育の授業。
昼休みあけに体育とは、ちょっとお腹が苦しい。
そんな感想が出てくるのも、高校生っぽくてなつかしい。
ブラック企業時代は、昼飯を食えないか、食えてもデスクで仕事しながらだったからな……。
「(今はサッカー部だが、小学生の頃は剣道と空手をやってたんだ。親父の方針でな。ひ弱な素人なんかボコボコにしてやるよ)」
試合前、加古川はそんなことをオレに耳打ちしてきた。
なんでこんなのがモテるんだ。
イケメンだからか?
サッカー部でエースだからか?
……その二つがあれば十分だな、チクショウめ。
他校のマネージャーを大会のたびにとっかえひっかえ、三股四股はあたりまえって噂もあるし、人類の敵と見て間違いないだろう。
授業の模擬試合を利用したオレと加古川の試合は、大いに注目を集めた。
男子のみならず、体育館の半分を使って創作ダンスの授業を受けていた女子もこちらを見ている。
「加古川君がんばってー!」
「顔がみえなーい! 面とってー!」
女子から黄色い声援がとんでいる。
面とれとか……ケガさせたいんだろうか。
「カズがんばってー!」
オレを応援してくれる女子は由依だけだ。
そのへんの女子千人以上の価値があるけどな。
その分、男子からの嫉妬の視線もすごいが。
「ちっ……」
開始線に立った加古川が、小さく舌打ちをした。
実にイヤな感じだが、悔しげな顔を見るのは少し気持ち良い。
「加古川、ケガだけはさせるなよ」
審判の体育教師までこんな調子である。
「始め!」
審判の合図で、試合が始まった。
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