8章:ブラッディドリーマー(22) SIDE 宇佐野
SIDE 宇佐野
難波君にお弁当を作ってきてしまった……。
私が男子にこんなことする日が来るなんて、思いもしなかったよ。
勝手に他人にお弁当をおしつけるなんて、よく考えたらものすごい暴挙な気がするけど、ラブコメなんかだとよくある展開だし大丈夫だよね?
気持ち悪がられたりしないよね?
うう……こういう時の知識がマンガからしか引っ張れない自分が恨めしい。
パソコンルームでのお礼って言えば、食べてはもらえるよね?
ほとんど冷凍食品だけど。
クッキングお父様を読んで勉強してみたけど、上手くできなかったんだよね。
白鳥さんはすごいなあ。
綺麗で勉強もスポーツも、そして料理も完璧。
私なんかとは全然違う。
でも、初めて好きな人ができたんだもの。
立候補するくらいいいよね。
かなうなんて思わないけど。
はぁぁ……。
私ももっと明るくなれたらな。
そうだ、私も難波君のこと、名前で呼んでみようかな。
カズ……。
うぅ……やっぱりムリ!
ムリムリムリ!
ちょっと遅くなっちゃった。
そろそろ難波君が休憩時間に入っちゃう。
あれ……?
たしか、ラジオのパーソナリティーさんを控え室に案内したら休憩のはずなんだけど……。
難波君ならクラスに一回顔を出そうとすると思ったんだけどなあ。
この廊下を通るはずなんだけど、どうしたんだろう?
トラブルじゃなきゃいいけど。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
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