2章:異世界帰りだと学校でも無双(3) SIDE 由依
SIDE 由依
お昼はちょっとはしゃぎすぎてしまっただろうか。
でも、今日くらいは許されるだろう。
カズが殺されることはおそらくなくなったのだから。
『組織』の調査によると、カズはヴァリアントを引きつけやすい、特異点であるという。
なんでも、この世ならざるモノとのチャンネルがあるとかなんとか。
彼がいなければ妹は死ぬことがなかったのでは……。
そんな考えを振り払う。
今の彼の強さなら、自分の身は守れるだろう。
おそらく、私の力では彼を護りきることはできなかった。
ダークヴァルキリー程度であればなんとかなっただろうが、それ以上の敵が現れた場合、命をかけなければ倒せないだろう。
私の神器はそういう能力だ。
秘めた力は大きいはずなのに、私の適応性が低いばかりに……。
心配なのは私が死んだ後、彼が無事でいられるか。
でもその心配も、もう不要だ。
その事実が私の心を軽くした。
あとは私の担当範囲を護ることだけを考えれば良い。
何より、彼と一緒に戦えることが嬉しい。
私の心をあの家から救ってくれた彼。
ふれあう機会が少なくなってしまったけれど、これからは違う。
彼との絆を深めることが、自分の使命を果たすことにもなり、人類を護ることにもなる。
楽しみだ。
そう言っては不謹慎だろうか?
誰かを救う仕事を大好きな人と一緒にできる。
それを幸せと呼ぶことは、罪なのだろうか?
ここまでお読み頂きありがとうございます。
続きもお楽しみに!
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