2章:異世界帰りだと学校でも無双(2)
由依や双葉を護るとはいえ、学校には行かねばならない。
食べていくために、まだまだ学歴はあった方が有利なことが多いからだ。
今更高校生と一緒に学校の授業を受けるというのは変な気分だったが、授業自体は思っていたより楽しかった。
答えがある問題を解けば良いのは、ブラック企業でトラブルに見舞われた日々に比べれば、ゲーム感覚と言って良いほどに気が楽だ。
ただ、公式なんかはすっかり忘れてて大変だったが。
「カズー、お昼一緒に食べよ。お弁当作ってきたんだ」
昼休み。
教室で放たれた由依のそんな一言が、周囲をざわつかせた。
そりゃあそうだろう。
オレと由依が幼なじみだというのはある程度知られているが、さほど仲が良いわけではないというのもまた、周知の事実だからだ。
「な、なんだよ急に」
「(いざとなったとき、一緒にいた方が都合が良いでしょ? だったら、普段から一緒にいるようにしておけば、怪しまれないじゃない)」
そうオレに耳打ちする様子がまた、周囲の男子に殺気を生ませる。
殺気と言っても、ゴブリン未満のかわいいものだが。
「怪しまれるって誰にだよ」
「いいからいいから。これからのことも相談したいしね」
うろたえるオレの手を取った由依は、そのまま中庭へと歩き出した。
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