表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/451

揺れるのは周りの心ばかり?7

宵闇に浮かぶ月に照らされる船。元々かかっている特殊な効果で外から見つかりにくいのだが、外観が黒いので、月明かりさえなければ闇に溶けているように感じる。


ワイングラスを片手に、ガウンを羽織った男が船上を歩く。周りにいる仲間たちは、彼に対して腰を折った。


風呂上がりで整髪剤は使っていなかったが、適当に撫でつけてオールバックになっている。

鋭い目が、猛禽類のようだ。

宝石をはめ込んだ指輪がワイングラスに当たり、カチカチ音を立てている。


船上を風が吹き抜けた時だった。

闇の中にはふさわしくない音が聞こえた。


鳥のさえずりでもなく、この船で聞く声でもない。

かすかではあるが、確かに流れてくる音――いや、歌。

神の歌声かと錯覚させるほど、透き通った声。


「ほぉ……。どこから聞こえてくるんでしょうねぇ」


男は舌なめずりをした。


「是非、お目にかかりたいものです。そして必ずやこの手に掴み取る」


彼の立つ船の先端の少し下。黄色い二つの大きな目が、じっと闇を見据えていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ