謎解きの時間と小さなお友だち。2
「コロポックルと小人は違う」
疑問に答えたのはディノスだった。
「分かりやすく説明すると……」
【ディノスのラグつば辞典】
世界には様々な種族がおり、人間は
■人属の人間科
にあたる。
尚、小さい種族は二種族に分かれる。
■人属小人科
特長……人間を基準にするなら、人間の身長の半分かそれ以下。いたずら好き。
同じくいたずら好きのピクシー妖精と勘違い、もしくは混同されることがある。
集団でも独立でも、どちらでも生活できる。
■人属コロポックル科
特長……世界で最小の人属。警戒心が強く、臆病。見つからないように集団で隠れて暮らす。
「なるほどですね……」
レティは納得して頷いた。
「こいつはコロポックルのユーシュテ。ある場所に立ち寄ったときに、ディノスが連れてきたんだ」
「へぇー。けどリック様、今のディノス様のお話だと、隠れて暮らしているのにどうして彼女一人だけ……。いたずらの件もそうですし、さっきは私より大きかったですよね?」
説明と矛盾する点が幾つかある。
ディノスは自分のベッドから枕を取り、そこにユーシュテを寝かせた。
「元々彼女は自分の――コロポックルのある一族の中で暮らしていた。長くなるのできっかけは割愛するが、俺が存在に気づいてしまって一族にいられなくなったんだ」
「見られただけで……ですか?」
レティの問いに、ディノスは頷いた。
「俺は迷信だと思うんだが、まあコロポックルの掟のことまでわからんしな。ユース曰く呪いらしい。見られたら呪いにかかり、一族を追放されるそうだ。実際彼女は夜に大きくなるようになってしまって、一族の暮らす場所には住めなくなった。今はだいぶコントロール出来ているようだが……」
「そうなんですか……」
同じ土地で過ごす仲間から、忌まれるようになる。
それがどういうものか、レティも身をもって良く知っている。
「それでリックに頼んで、彼女をこの船に乗せてもらった」




