謎解きの時間と小さなお友だち。
揺れるポニーテールを追うリックとレティ。
「何事っすか!?」
「あっ!」
レティが声をあげたと同時に、カチャ……ゴンッ!痛々しい音がした。
運が悪いとしか言いようがない。クルーがいきなりドアを開け、それが逃げていた女の正面だった。
想定外の事態に体も頭も着いていかず、思いっきりドアにぶつかってしまった。
「いっ……ふあぁっ」
仰向けにひっくり帰り、倒れる頃には体が縮んでしまった。
「たーいへん!」
追い付いて、レティは膝を着いた。
目を回し、床で伸びている体を掬い上げるように両手に乗せる。
「あっ」
「自業自得だな」
レティの手からリックが掠め取った。
背中の布をつかみ、ブラブラさせるようにして歩き出す。
「リック様、何処へ?」
「こっちだ、レティ」
リックが前方を指したので、小走りに追いかけた。そうすると行き止まりのドアに行き当たる。
「あれ?ここは……」
昼間入ったところ。リックはノックをしたが、返事を待たずに中に入った。
机で本を読んでいた部屋の主、ディノスが此方を向いた。
「リック?どうした」
「どうしたもこうしたもねーわ」
リックは不機嫌に目を細めて歩み寄り、手に持っていたものをディノスの目の前にずいと突きつける。
「だから何とかしておけと言ったんだ。自分の女の首輪くらい、自分で繋いでおけ」
「ユース?」
椅子を回転させ、リックに向き合う。自分の手の上に下ろされた存在に驚くディノス。
「リック様、この子は……?それにコロポックルって、小人さんのことですか?」




