天使の鱗片と決意2
「てめぇら、今朝付け替えたばかりのドアをよくも壊しやがってぇええーっっ!!」
「でぇええ!?いや、今のはオッサン、アンタが自分でやったんだろ……って、ギャアアアアア!」
「問答無用だ、グォラアアア!」
一気に二人の顔面に拳をねじ込み、床に叩きつける。
二人の男の足が床から出る形となった。
ジョアンはまた腰を上げ、やられた男を見た。
「床がぁ!」
「それはアンタのせいだーっ!」
残された男がジョアンを指さして叫ぶ。
「俺の店を壊すなァア――っ!」
「ああああああ」
頭に血の登ったジョアンに主張を聞き入れられることなく、また二人同時にやられた。
今度は二人の頭を掴み、額同士をぶつけさせたので被害はなかった。
「……ったく、また片付けからやり直しだ」
ジョアンは手を払った。それから気づく。
「おっといけねぇ。店の外に出さねぇ約束だった」
向かいの建物の前で伸びている男を拾いに行き、担いで戻った。
全員をそれぞれ縛り上げ、さらに五人纏めて縄をかけた。
「これでいいか。今回はあっちの建物の壁も弁償だなぁ。リックさんから貰った残りで足りっかな?」
頭をガシガシと掻いていたら、急に閃いた。
「おお、こいつらから修理費を頂けばいいのか。壊したんだから当然だな」
全員のポケットを調べ、財布を取った。
「これで良し。あとはリックさんの方だな」
ジョアンは腕を組んで仁王立ちになり、当分意識を戻さないであろう男達の見張りに入った。




