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メロメロBaby Princess6

鳳凰は敵の居るところへ急ぎ飛び、近くに来て羽根を上下させた。

鎌のような風の刃が幾つも放たれ、障害となっている木を切り倒す。木にぶつかった刃は勢いのある風になり、ぶつかり合って竜巻になる。


「ぐわああっ!!?」

「何だこれはっ!」


男達が飛ばされ、地面に転げる。リックは鳳凰から飛び降りた。

一番体の大きな男の肩に手をかけて体をひっくり返し、胸ぐらを掴んで自分に引き寄せた。


「お前だな。邪眼使いは……」

「誰……だ?」

「お前の襲った船から来た。邪眼を通して見てただろ?何をしたか言え」

「ああ、そう言えばお前みたいなのも居たな」


傷だらけの男は嫌な笑みを浮かべる。


「邪眼を知ってるってことは、分かるだろう?邪眼とは……その瞳に魔力を宿す化け物。呪いだ。生命力を狂わせる……な。強そうなお前を狙ったが失敗した。まあ、お陰で珍しいものが見られたが」

「解け」

「そう上手く行くか。邪眼の力は例え俺が死んだとしても残る」

「だが、契約者もしくは邪眼のどちらかがいなくなれば効力は落ちるな」

「どうかな?」


男が歯を見せて笑ったとき、船のように邪眼が広がった。


「今度はお前を呪い殺す!何処から攻撃が来るかな?」


リックは舌打ちをした。それぞれがどれも違う動きをしている。

船の時もそうだったが、悪意の気配は邪眼がある所から全て放たれている。そこから大元を探すのは厳しい。


(グズグズしている暇はない)


苦しむレティの姿が脳裏を掠める。


(視野の範囲から攻撃をして、易々とかわされるようなバカな真似はしないだろう。だとしたら)


リックは視線を走らせる。下、上……。


(どれでもないなら)


男がリックを押さえつけようと手を伸ばしたが、こちらが早かった。


(後ろだ!)


リックは手を放して素早く横に転がって避けた。邪眼の赤黒い光は一直線に放たれ、まさかの契約者である男に当たった。


「何っ!!?」


男の全身が赤黒く光り、苦しみのたうちまわる。契約者の異常で邪眼が全て消え去る。


「かっ、体が焼けるッッッ!助けてくれぇええ!」


全身を掻きむしるように転がり、暫くして動かなくなった。


(呪いを解く方法が聞き出せなかったな……。とは言え)


「自分で自分の能力に命脅かされてちゃ世話ねぇな」


ため息をついて立ち上がり、地面に降りてきた鳳凰に乗った。

男の仲間が気絶してそこいらに倒れていたが、彼らは恐れるに足らないだろう。


「船へ戻ろう」


鳳凰と共に急いで船に戻った。


(生命力を狂わせる呪い……。レティ……)


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