表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
212/451

メロメロBaby Princess4

「リック!」


リックが甲板に出た時、近くにいて鐘を聞いたらしいディノスとユーシュテが駆け上がってきた。

同じ頃に見張り台からのクルーも降りて、厨房からジャンが出てくる。


「敵だな!?」

「ああ」


ディノスに頷いて、閉めたドアを見る。矢が数本刺さっていた。

生憎街へ出たクルーが多く、残っているメンバーがあまりにも少ない。


「姿が見えないのが厄介だな。ユースは中に……」


元々戦闘員ではないユーシュテの背中を押して船内に入るように促そうとした時、突然甲板中に開かれた目が浮かび上がって埋め尽くした。


「何これ、気持ち悪っ!!」


ユーシュテが腕を寄せ、鳥肌を立てて体を震わせる。

大きな目玉がギョロギョロと動く。確かに吐き気を催しそうな雰囲気だ。

ディノスが銃を取り出し、目玉の一つを撃つ。攻撃された目はゆらゆら揺れてスッと消えた。それでも残りが多すぎる。


「これ、百目(ひゃくめ)ですかい?」

「百目?」


ジャンの言葉をディノスが聞き返す。


「身体中に目を付けた化け物ですよ」

「いや、これは違う」


リックは否定をした。


「百目の目は全て本物だ。攻撃すれば傷つく。だが、これは……」


床に膝をついて調べれば、ディノスが放った弾痕が残っているだけ。


「一種のまやかし……幻術のようなものだ。これは恐らく『邪眼(イービルアイ)』だな。契約者の仕業なのは間違いない」


リックは船を見渡した。


「この眼の中に術者と通じている本物は一つ。あとは偽物だ。叩くには」

「契約者を押さえるか、本物を見つけるしかないってことか?」

「その通りだ、ディノス」

「けど、この船中についた目から本物を探し出すって無理よ、リチャード!どれだけあると思ってるの!?」


ユーシュテが手を広げて反論する。


「だが契約者は離れたところから見ているはずだ。なら(ここ)を叩くしかない。本物は偽物と違う何かがあるはずだ。俺が上から見る」


リックは眼帯を外し、魔法陣を呼び出した。

レティはドアの向こうで会話を聞いていた。背伸びをして窓から甲板を覗く。

何処を見ているのかわからない、もしくは全てに見られていると思いそうな目玉の数に、おぞましさを感じた。


(ここからでも分かれば……)


リックの魔法陣が緑色に光を放ったとき、彼の背後にある目が瞬きをした。そして瞳が赤く光る。


「!」


ディノス達は周りを必死に見回しているが気づいていない。


(リック様!)


出るなと言われることも忘れ、レティはドアを開けた。

リックが驚いてこちらを見る。


(ダメ、ダメ……。危ない!)


レティは手を伸ばして走った。感情の高ぶりに合わせ、下から上に金の波が走る。


「やめてぇっ!」


寸でのところで邪眼とリックの間に滑り込み、体の向きを変えた彼の目にレティの後姿が映る。

レティの正面の邪眼が赤黒い光を放ち、胸を貫いた。


「あ……っ!」


当たった衝撃に、透ける金の羽根が揺れた。華奢な背中が反り、レティの体が一瞬赤い光に包まれる。

リックが目を見開いて固まった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ