まさかのケンカ勃発!?3
二時間後、新たな島に着いた。
ボウリングをした島は小さな所で換金所が無かった為、先日襲撃してきた船から頂戴した宝石類は、この島で換金することになっていた。
リックとディノスがクルーと一緒にそちらへついていっている間、レティはユーシュテに引きずられるようにして下着を買いに店へ行った。
さすがにその買い物に付き合うわけに行かず、リックはレティの世話をユーシュテに任せた。
「トップが八十三、アンダーが七十なのでBですね!」
「やっぱりAから昇格したわね。ちっぱいはちっぱいだけど、良かったんじゃなくて?」
「ちっぱいって言わないでぇー」
「ちっぱい!」
ううう……と呻く赤い頬のレティを、ユーシュテはからかう。
その後ユーシュテはレティに試着をさせ、リックから預かったレティの取り分のお金でキャミソールと合わせて会計をした。
ランジェリーショップの紙袋がブラとショーツを着けたセクシーなうさぎの柄だったので、一旦荷物を置きに帰るとレティが譲らないため、二人は船に戻った。
船上に戻っると、食堂からいい匂いがしてきた。
「これはっ!間違いなく!乙女のほっぺたが落ちそうな料理の予感っ!キャーッ」
目を煌めかせたユーシュテが、一目散にそちらへ走っていってしまう。
取り残されたレティは紙袋を両手で抱え、自室に戻ってベッドにそれを置いた。
中身を開ける前にドアをノックされる。
「レティ」
(リック様だっ!)
声でドアの向こうの人物が分かり、レティの表情が明るくなる。
小走りに掛け寄ってドアを開いた。
「リック様も戻っていらしてたんですか?」
「タイミング良くな。レティ、ちょっと俺の部屋に来てくれるか?」
「はい」
手を引かれて、すぐ側の階段からリックの部屋に入った。
「これ、街で見つけたんだがどうだ?」
リックのポケットから出てきた、ツルツルしたビニール製の小さな袋が手渡される。
「私にですか?頂いていいんですか?」
「ああ。開けてみてくれ」
レティは封になっているシールを剥がして中身を取り出した。
瞳の色と同じ藍のリボンで、結び目には小さな薄いピンクの花。裏側がバレッタになっていた。
「可愛い……!ありがとうございます、リック様!」
「好みに合いそうで良かった」
「はい。とても嬉しいです。大事にします!」
にっこりしてお礼を言い、レティは海が見える窓に寄る。
そこに映る自分の姿を確認しながら、手櫛で髪を少し掬い取ってハーフアップにし、バレッタで留めた。
「思った通り、とても似合ってる。もっとよく見せてくれ」
リックに手を引かれてソファに連れていかれる。
隣に座るレティを後ろから横から見つめてくるリックが、嬉しい反面恥ずかしくて肩を竦めてしまう。




