まさかのケンカ勃発!?2
「実は……お腹は空いてるんですけど……」
「けど、何?」
煮えきらない答え方に、ユーシュテが先を促した。
「何だか胸がいっぱいで。ご飯が入らなくて……。それ以外は元気なんですよ……?」
「レティのそれは、何の病気だ?」
リックとディノス、ジャンが首を傾げた。レティは胸に手を当てて、再度ため息。
その様子をじっと見ていたユーシュテは、テーブルから降りた。
「レティ!ちょっとそこに立ってちょうだい」
「え?」
「いいから早くして」
ユーシュテはテーブルの脇を指差し、自分も大きくなってそこに立った。
レティも椅子から立ち上がり、ユーシュテの前に立つ。
そして胸元のレティの手を掴んだ。
「ユ……、ユースちゃん?」
何も言わずにレティの胸元を目を細めて見て、そして驚くべきことをした。
バッと手を伸ばし、レティの胸を鷲掴みにしたのだ。
「きゃーっ!!?」
レティの高い声で、船員の声が静かになる。彼らは声の方を向いた途端、口の中のものを吹き出す。
何とユーシュテがレティの胸を、左右それぞれ片方ずつ揉んでいた。
リック達も唖然として固まっている。
「あのっ、ユースちゃん!ちょっと」
「女同士なんだから恥ずかしくないでしょ!」
そう言って、レティから手を離して解放した。
「な、何するんだ!セクハラか!」
リックが立ち上がって、レティを自分の腕の中に収めた。
「煩いわよ、リチャード。レティ、貴女ブラのサイズが合ってないわよ」
「……へ?」
「だ・か・ら。触ったら胸がブラから上にはみ出してるの。この間計って買ったばかりだけど、その時より少し大きくなったんでしょ。それで小さいブラに締め付けられて、胸が苦しいってこと」
ユーシュテはレティの手を引っ張り、リックから離してレティを反転させる。
服の上からブラの位置を探り、ホックを外してやった。
「ふぅ……」
レティが大きく息をつく。
「楽になったかも」
「そうでしょ?もう少しで次の島に着くんだっけ?」
「予定では、あと二、三時間だな」
ユーシュテの質問にはディノスが答えた。
「船が着いたら買い直しね」
「えー。またぁ……」
上半身だけとはいえ、裸になって計り直すのは慣れなくて気が重いレティだった。
「短期間で成長するなんて、これは相当リチャー……むぐっ」
「言っとくが俺じゃないからな」
何を言われるか察知したリックが、ユーシュテの口を手で塞いで阻止した。
「触らないでよ。……チッ!面白くない」
パシン!リックの手を素っ気なく払い、ユーシュテは舌打ちをする。
二人を無視し、ディノスがレティに声をかけた。
「レティアーナ、食べられそうか?」
「今なら大丈夫そうです!」
レティは座って、中途半端にしていた昼ご飯に再び手をつけたのだった。
それを見て、安心してジャンは厨房に戻った。




